第379話 料理教室2

現在七菜の部屋にて料理教室中である。


とりあえずスタートから。野菜を切る前にいろいろありましたが……うん。包丁の持ち方指導は無事に終わりまして、そこからは見ていれば進んで行くかな?とか俺は思っていたのだが――。


そうではなかった。


とりあえずというか。うん。いきなり指を切りそうな野菜の持ち方を七菜がしてましてね。包丁を持っていない方の手がね。危険すぎたのですぐに反対の手の指導も入りまして…。


結局七菜の後ろに回り。一緒に切るというところから始まりまして……。


いやはじめは、横から声のみでいけるかと思っていたんだが……マジで危険な雰囲気があったので。結局一緒にやろう。ということになりましてね。はい。


これ大丈夫かな……とか思っていたのだが。でもそのあとは意外と慣れというのか。ちゃんと七菜が包丁を持って野菜などを切り出すと――。


トン……トン……トン……。


うん。ゆっくりと野菜がちゃんと切られていた。


「ど。どうですか?」


全て切り終えた七菜がこちらに確認をしてきた。


「できるじゃん。うん。大きさなんか適当でいいからさ。まあ同じ大きさくらいにできるのがベストなのかもしれないけど。今のところとりあえず一口大なら問題ないと思うし」

「よかった……ってか手切りませんでした。自分にびっくりです。あと先輩を刺してませんし」

「……刺す可能性マジであったのね。って七菜。切り終わったら包丁をまず置こう。包丁持ったままこちらを振り向かないで」

「あっ。ごめんなさい」


七菜は慌てて手に持ったままだった包丁をまな板の上に置いた。


うん。一瞬ヒヤッとしたよ。とりあえず終わったら置く。指導徹底しないとか。と俺は思いつつ。


その後は七菜の隣に俺が立って七菜の様子を見つつという形になり。カレー作りは……うん。いろいろあったが進んでいった。


いろいろあったというのは……。

まず炒める時に、炭にならないように。と言うか。七菜がいきなり火力マックスでやろうとしたのでねそれを一度止めて…。うん。まあ初めてだからね。全部ちゃんと教えて行こうということで……いつも作る時の倍くらいの時間がかかったが……。


1つ1つの工程でちゃんと七菜に教えつつ料理は進んで行った。


それからしばらくして……今のところキッチンはいい香りがしている。うん。普通にいい香りがしていて……七菜も自分が作ったものを今見ている。


「先輩。これ……カレーですよね?」


七菜は何故か。ちゃんと出来た料理を見て驚いているのだが……まあうん。いいか。


「ああ。どう見ても美味しそうなカレーだな。お疲れ様」

「……はじめて炊き込みご飯以外をちゃんと作った気がします」

「いろいろ危険なことはあったけど……とりあえず七菜は作り方をちゃんと見ながらすれば……かな。お願いする事というか。守ってほしいことは、とりあえずいきなり火力マックス。や水の分量は適当でいいかな?とかいうのは……だね。わからなかったら聞くか。調べるというか。そもそもルーの箱とかには分量はちゃんと書いてあるから。ちなみに火加減もね。書いてあるよ」

「本当ですね。いつも何か書いてあるなー。でしたから」


カレーのルーが入っていた箱を見つつ七菜が言う。って見てなかったのかよとか俺は思いつつ――。


「っか。炊き込みご飯の時も作り方見るよね?」

「えっ……?あー、そういえば……読んでますね」


何故に炊き込みご飯のつくり方はちゃんと見て他は見ないのだ……と俺は思いつつ。


「……それを他の物でもしてほしいです。はい」

「頑張ります。あっ。お米炊かないとですね」


そう言いながら七菜はお米の準備を始めた。


ちなみにご飯を炊くのは本当に問題ないらしい。普通に米測り……洗って。うん。ちゃんと水の分量見て炊飯器にセットしていた。

ちゃんと炊飯器から予約完了の音楽が流れていた。


先ほどのカレー作りの時とは別人。流れるようにというか。うん。無駄な動きもなく進んで行った。という感じだった。


っか。その光景を見つつ……なぜ米以外は……なのか。というか。うん。ちょっとしたことなんだと思うけど……これは本人しかわからない感覚か。多分米を炊くとカレーを作るとかは……全く違う。まあそりゃ違うけど……料理と言えばどちらも料理じゃないのかな……とか俺が思っていると――。


♪♪


「うん?」


俺のスマホが鳴った。

ポケットに入れていたのでポケットからスマホを出して画面を確認してみると…。


「終わったー。今名古屋駅出発したからそのうち行くね」


うん。海織さんこちらに向かってますね。とか俺が思いつつ返事をしようとしたら……。


「先輩。宮町先輩ですか?」

「よくお分かりで」

「先輩。今顔が緩んでましたから」

「……マジか」

「マジですよ?」


うん。どうやら顔に出ていたらしいって……特に海織からメッセージが来てウキウキとか言うのか……うん。まあそりゃ連絡をもらうとね。安心というか。なんというかなんだが。ってもしかして――。

知らぬ間になんか変な表情をしてしまっていたのだろうか……とか思っていると再度海織から連絡が来た。


♪♪


「七菜ちゃんの料理どう?時間的に作っている時にはもう間に合わない感じだから。お土産にぴよりん買ったって七菜ちゃんに伝えといて」

「ぴよりん?」

「ぴよりん?」


うん。海織からのメッセージを見て俺がつぶやいたため。七菜もこちらをのぞき込みながら同じこと言った。


って……「ぴよりん」なんかどこかで聞いたような……とか俺が思っていると……。

現役JK。いや訂正。卒業したからもう違うか。少し前までJKだった方は行動が早かった。


七菜は机の上にあった自分のスマホを取りに行って……スマホに向かって……。


「ぴよりん」


と。言っていた。うん。多分あれは……検索中ですね。ホントスマホって便利だよ。とか俺が思っていると……最新技術というのかスマホはすぐに結果を出してくれたらしく――。

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