第368話 1+2=3
俺が風呂から出て、1人でのんびりと座りながら水分補給中。前にスーパーに行った際に新商品とかいう炭酸飲料が売っていたのでね。それを試飲中。
なお新商品に弱いのは俺ではなく……まあ海織なんですがね。うん。数本買ったのでまあ1本くらい飲んでも問題ないだろうと飲みつつテレビを見ていた時だった。
――ピンポン。
俺の家のインターホンが鳴ったのだが……インターホンが鳴ったすぐ後に。
ガチャ。
うん。おかしい。おかしいだろ。普通ならおかしい出来事。である。
インターホンを押す。まではわかる。うん。
誰か来ましたよ。っていう合図だからな。
……来ましたよ?の合図……うーん。あっているのだろうか。誰か居ませんか?の合図だろうか……うーん。まあいいか。今のところはその問題は置いておこう。
とにかくインターホンを押しておいてその後すぐに鍵が開く音がする。これが普通ならおかしいことだと思う。
まあ俺は誰が来たかはもちろんわかってはいるんだが……うん。わかっているからあわてたりはしていないのだが……。
もし身に覚えなくインターホンの後に鍵が開いたら……即臨戦態勢というのか。まあ戦う準備?がいるかと思うのだが……不審者が普通に入ってきましたとか怖いからね。うん。このご時世何が起こるかわからないし。
でもまあ今さっき言ったように、今は戦う準備とかはいらないと思う。
すでにちょっと玄関の方から2人の声も聞こえてきているし。っかインターホンを一度押してから鍵を開けたのは海織なりの気遣いなのだろうか……とりあえず鍵開けるよ。や。帰って来たよ。の合図だったのか。まあそれはちゃんと聞いていないから定かではないが……。
っていろいろ俺が考えたり思ったりしているが。
現状はインターホンが鳴ってから俺はまだ1歩も動いてないのにドアが開く音がして、その次には……鍵が開く?くらいからちょっと声が聞こえてきていたのだが。すぐにその声ははっきり聞こえるようになった。
「はい。七菜ちゃんどうぞー」
「加茂先輩の家の鍵を普通に持ってる宮町先輩……ってさっき。加茂先輩の家に来た時も私が玄関に行ってドアを開けなくても宮町先輩普通に入れたってことですよね?」
「まあねー。でもいきなり入ったら2人がびっくりするかな。って」
「そりゃまあびっくりしますけど……ってなんかもうこの2人の先輩の事では……びっくりしていると疲れますね」
「あっ、もしかして七菜ちゃんドッキリ希望だった?」
「そんなことありません」
あの2人仲良くなったな……とか俺が思いつつさらに声を聞いていると……。
「実は楓君とイチャイチャしているところを私に見せたかった。とかかな?」
「そんなことしていたら私今ここに立っていない気がしますけど……」
「大丈夫だよ。七菜ちゃんかわいいから楓君どんどん使っても何も言わないよ?」
「……ホント私変なところに来ちゃったのかな……」
って、おいおい。どんな話をいきなりしているんだよ。である。
っか聞こえているからね?海織さん。勝手に人の名前を出してなんかいろいろ言うの止めてもらえますか?俺の初の後輩?がなんか怪しい雰囲気というか。警戒しだしてませんかね?とか俺が思いつつ玄関の方を見ていると……。
「楓君。ただいまー」
海織が部屋へと先に入って来た。そして七菜が後ろからやって来た。
まあ当たり前のことだが。風呂に入りに行った2人は先ほどと服装が変わっている。というか。完全にお風呂上がりですね。って2人ともまだちょっと顔が赤いので……かなり長くお風呂に入ってました?それとも出てすぐ来た?とか俺が思っていると……。
「あっ楓君だけ美味しそうな飲み物飲んでるってそれこの前私が気になって買ったやつー」
と。海織が言いながらこちらへと寄って来た。うん。さすが自分で買ったものだからか。反応の早い海織さんでした。
「あっ。本当だ。先輩1人で優雅にくつろいでます」
そして七菜も寄って来たのだった。
っか。なんか体温が高そうな2人が近寄って来たんですが……うん。高いよ。なんか2人の周り空気が暖かいし。
「……2人とも長風呂でもしてたの?」
と。俺は言いながら一応というか。ちゃんと2人の分の飲み物もあるので俺は冷蔵庫へと向かった。っか立ち上がったのは海織がこのままくっついてきそうだったから。というのもある。
「あー、楓君が上手に彼女を避けた」
「避けてません。海織たちも飲み物欲しいんでしょ?」
「欲しい!それ気になっていたからね」
「先輩。私も欲しいです。ってか喉がカラカラです」
「七菜も戻って来るにしてもちょっと休憩してから来たら良かったのに」
俺はそんな事言いながら飲み物を取って2人に渡すと……。
「ダメです」
「はい?」
飲み物を受け取りながら七菜がそんなことを言ってきた。
「なんで?」
「宮町先輩が加茂先輩に何言うかわからないじゃないですか」
「えっと……何があったんでしょうか?」
「楓君楓君。私にも飲み物ー」
「はいはい。どうぞ」
「ありがと。で、楓君。七菜ちゃんの何聞きたい?」
「ほらー、これですよ。これ。私居なかったら私が居ないところで加茂先輩に私の秘密が流れちゃうじゃないですか」
「……ホント何してきたんだが」
「お風呂入って来ただけだよ?一緒にね」
「やっぱり一緒に。にはなったのね。七菜。お疲れ」
「……ほぼ強制的に入ってこられました。本当に警察呼ぶ準備とか必要かもとか思いましたよ」
「……それは何というか。暴走する方ですみません」
「ホントですよ」
七菜はそう言いながら俺が渡した飲み物を一口飲んだ。
「あっ、美味しい」
うん。海織の気になった商品は後輩にも好評のようです。
「でも楓君。七菜ちゃんすごくスタイル良いよ。髪も綺麗だし」
「ちょ、ちょ、宮町先輩。普通に話し出さないでくださいよ」
「えー、大丈夫だよ。七菜ちゃん。基本私楓君と一緒に居るから隠してもすぐバレるよ?それとも七菜ちゃんもここで生活するかな?ニヤニヤ―」
海織さんが絶好調ですね。ホント七菜を気に入った様子なんだが……。
「海織。後輩をいじめない。そして本人の許可なく勝手に話さない」
「えー。でもちなみに七菜ちゃんは楓君の秘密もう聞いたよ?」
「えっ?」
「……」
と。俺が七菜の方を見ると……視線をそらされた。
「七菜?」
「な、何も聞いてませんよ?」
「にひひー」
「海織?」
「大丈夫だよ。そんな大したことじゃないし。でもいろいろ話せて楽しかったー。七菜ちゃんまたお風呂で話そうね」
「なんでお風呂限定でなんですかー」
「……俺の秘密って…。なんだよ」
とか。うん。なんか俺の知らないところでまた情報漏洩が……と俺が思った時だった。
♪♪~
俺のスマホが鳴り出したのだった。
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