第313話 そうだ旅行へ行こう!14 ~考え中~
部屋の鍵が開く音がして……すぐにドアが開く音がした。そして――。
「ただいまー」
「あっ、2人とも帰ってきたのかな?まだお風呂行ってないのかな?」
女の子2人も部屋へと帰って来たみたいです。
なんか……元気な声が聞こえてるから……お風呂でリフレッシュして元気になったかな?ってナイスタイミングというのだろう。
「食い物には敏感か」
と隣で柊がつぶやきつつ1つ阿闍梨餅を手に取った。
するとそこに声の主2人が登場して……。
「あー、柊がもう食べてるし」
と、斎宮さん荷物その場に放置ですぐにこちらへとやって来た。
斎宮さんが放置した荷物を海織が拾って……部屋の隅。荷物が置いてあるところにそっと置いてからこちら。俺の隣へとやって来た。
「楓君たちももう……お風呂行ってるね」
少し俺を見てそういった海織だった。どこを見て判断したのだろうか……だが。まあいいか。
「うん。少し前に戻ってきたかな」
「戻って来るの早いね。私たちの方が先に行ったのに」
「まあ男はそんなもんかと。でも結構暖まったよ?」
海織と斎宮さんゆっくりお風呂に入っていたのか……まあ暖まって来たのか。
火照っていると言えばいいのか。隣に座った海織からは熱があった。頬もまだちょっと赤いし。とか思っていると俺と海織の前では――。
「ちょっと。柊が食べていいって許可した覚えないんだけど?」
「いやいやこれ楓が買ったんだろ?」
「楓くんが私のために買ってくれたの」
「……っか。何個食う気だよ」
なんか阿闍梨餅の争奪戦をしているが……斎宮さん数はありますから。とか俺が思っていると……。
「沙夜ちゃん私ももらっていい?」
「うん。どうぞどうぞー」
「俺と宮町さんの対応が違い過ぎる」
海織も阿闍梨餅に手を伸ばして1つ。そして斎宮さんの反応に文句を言った柊は……。
「—―いってぇー」
――ガン。
うん。なんか机で見えないところなんかあったみたいだが……斎宮さんに何かをされて机で足打ったな。ちょっと机が揺れたが。まあ俺と海織には関係ないというか。見えていないからね。うん。ってか俺も1つもらおうかな。うん。買ったの俺だし。食べる権利あるよね?とか思いつつ――。
「俺ももらっていい?」
「もちろん!」
うん。無事にもらえました。
「沙夜が俺に厳しすぎる件」
と、その後柊がぶつぶつ言いつつもちゃっかり2個目を食べていた。まあそして斎宮さんとまたなんやかんやしていたのだが……それはまあいいか。とりあえず正面の2人は楽しんでいます。ということだ。
それから俺たちは阿闍梨餅を食べつつ話して、その途中で海織が部屋にあった紅茶とコーヒーを淹れてくれたので部屋の畳スペースにてのんびり休憩タイム。
ちなみに阿闍梨餅はやっぱり美味しかったです。ってか斎宮さんの言う通り多く買っておいてよかった。うん。結構減ったという。まあ美味しいものはね。ついつい手が進むんだよ。
俺がそんなことを思っていると――。
「あっ、そうそう。沙夜ちゃん明日の事決めようか」
海織がそんなこと言い出した。
「あー、そうだった。ねえねえどこ行く?」
「いやいや沙夜よ。予定決めてなかったのかよ。俺の希望スルーしていた割に」
「まあ行きたいところ多くてねー。それに1日目の疲れがわかんないじゃん」
うん。2日目の予定決めってなかったのね。とか俺も思いつつ。
「大まかにも決まってないの?」
と海織に聞いてみると――。
「いくつか行きたいところのリストアップはしてあるよ」
海織はそう答えながらスマホを取りに行って……また俺の隣に戻ってきて。少しスマホを操作。そして――。
「こんな感じだよ」
海織のスマホの……メモ機能?だろうか。そこには……。
「買い物……お土産……二条城。金閣寺、銀閣寺……ってめっちゃ書いてあるね」
「話している時に出てきたのとりあえずメモしたからね」
うん。めっちゃ行きたいところリストというのか。行ってみたいリストなのかはわからないが。箇条書きでたくさん書かれていた。まあ……うん。お土産。買い物する時間は絶対欲しいのかな?一番初めに書いてあったし。
「どんどん出てくるから結構たくさんになったんだよね。とりあえず沙夜ちゃんと話していて、その時に出てきた物はメモしたんだけど――ホントいっぱいあってね」
「まあこれだと……全部回るのは難しそうで」
「そうなんだよね。で、2日目は1日目の疲れとかもあるかもだから。2日目の夜にホテルで決めようか。ってことにしてたんだ」
「なるほど」
そんなことを海織と話していると。
「はいはい!清水寺と京都タワーに1票ずつ」
「柊。そこばっかだし」
柊が会話に入ってきて……斎宮さんと……揉めていた。ってか……うん。今俺の視線の先にある海織のメモには清水寺と京都タワーは入ってないんだが……あっ、訂正清水寺は下の方にあったわ。って斎宮さんも言っていたが。柊、本当に清水寺と京都タワー行きたいんだな。もう何回かその話を聞いた気がする。
とか思っていると――。
「楓君はどこか行きたいところある?」
「えっ?あー、そうだな……行ったことないところだと……京都御所とか?」
「おー。京都御所ね。うんうん」
また海織のメモに1つ施設が追加されていた。
そして俺と海織が話していると。
「あっ。海織ちゃん南禅寺もどうかな?」
と、自分のスマホで何か調べていたのだろう。斎宮さんがこちら側にやって来て言った
「あー、南禅寺も良いよね。ちょっと紅葉のシーズンじゃないけど。違う時の姿見るのもいいかもね」
「でしょでしょ」
ってかこれ。どんどん行きたいところが出てくるという。うん。ちなみに――。
「なんで俺の京都タワーと清水寺は入らなんだよー」
と、柊が3つ目の阿闍梨餅を手にして言っていた。うん。いや確かにね。清水寺も行きたいことは行きたい。うん。でも他にも行きたいところが多いのでね……。
結局それから何時だっただろうか?0時前?くらいまでか。
翌日の行先についてあーでもないこーでもないという感じに楽しく話しあった4人でしたとさ。
うん。旅行の行先を決めるのは楽しいからね。時間もあっという間という。
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