第290話 内部線制覇へ ~菰野駅13時07分発~

ゼミのバタバタから数日後。

うん。ホントあの時はバタバタだったというか。前日はめっちゃ頑張ったが……まあ詰めが甘いというか。うん。急いで作ったのはミスが多いですからね。大変でしたよ。


次回のゼミは……というかもう3年次最後のゼミか。最後だよ。なんかあっという間というか。びっくりである。

そしてその最後のゼミに提出する卒論。まあもちろんのことだがまだ完成はしてないが。とりあえず現段階で出来ているところまではちゃんとまとめ終えた俺。ここからまた指導してもらい――4年次に完成のはずだ。うん。はず。


ちなみに今回は前のゼミが終わった後に、真っ赤っかとなっていたコピー用紙を見つつ……というか一部解読が大変なところもあったが。

とりあえず時間をかけて直した俺。うん。なかなか直すだけで時間がかかったが。その後ちゃんと進めて……うん。進めた。ゴールへと少しだがちゃんと進めた。

なので次回までの卒論のノルマ?みたいなのは今回はOKである。

次回の準備OK……多分大丈夫だと……まあ直される未来はあるが――。

藤井寺先生が言っていたノルマまでは何とか出来て……むしろ超えているはず。うん。大丈夫である。


そんなこんながありまして……そして本日は何をしているかというと。


「よしっ。楓君。そろそろ出発しようか?」


うん。俺が今日の事を話そうとしたらそんな声が俺の後ろから聞こえた。

まあ声の主は昨日からいつものように、当たり前のように。俺の家に居た海織なのだが……もう説明もいらなくなってきた気がする。自分の家かのように帰って来るし。生活してるし。うん。

ホントこのお方……週に何日居るのだろ?である。まあ俺が何を言ってもなのだが……上手に言いくるめられる俺だった。うんうん。


あっ、そうそう余談。この前海織ママさんが俺に海織のスマホを使って連絡してきた。ということがあったが……。

どうやらその時に俺の電話番号を把握したのか――またあれからご連絡があった。


多分だがその時に俺の番号をちゃんとメモして入手したのだろう。あれ?海織ママさんとは連絡先の交換を……してないもんな?うん。ちょっと最近いろいろあったから記憶が怪しいが……まあとりあえず。また海織ママさんから連絡があったのだよ。


で、近況報告というか……なんか海織の秘密ばらし……というか。昔の海織は……とか言う雑談を海織ママさんとした。というか聞いた。

ちょっと違和感があったと言えば――なんか俺の記憶の中にもそのかけらが……というのがあったが。まあ小学生の時とかってみんな同じような感じでどこも同じか。とか思っていたら。お風呂に入っていた海織が出てきまして……まあ誰と話してるの?的な事になりますよね。はい。俺的にはママさんに海織が今も居る事。お風呂でくつろいでらっしゃる事を隠しておいてあげたのだが……うん。自らバラしてましたね。で――まあ。


俺と海織ママさん2人ともが海織に笑顔で怒られました。はい。


でも海織ママさん側で俺への連絡先が消える。ということはなかったので。海織もこっちに居るので消せないのでね。

なので俺の連絡先に海織ママさんが入りました。うん。そうだよね。新しく入ったということは。今まで登録してなかったという事……なんだが。


なんか翌日俺のスマホを見たら……消えてたんだよね。不思議。俺……操作間違ったのかな?うーん。


とまあ犯人はわかっていたのだがね。

海織は俺のスマホいじれるのでね。怖い怖い。ってか過去の事を言われる。聞かれるのが相当嫌なんだろうね。うんうん。俺も過去の事はなんか嫌だからな。うん。


でも海織にはまだバレてないと思うが……こっそりその後海織ママさんからまた連絡来てたから登録してあるんですけどね。海織のママさんも海織が消すというのを予想していたらしい。さすが――親子である。まあこっちから連絡することは……無いと思うが。

でもまあ……またそのうち消えてそう。とか俺は思っている。海織の事だからね。なんで俺のスマホのロックを変えても変えても開けれるのかが――不思議であるが……。


「楓君?」


ちょっと過去の事を思い出していたからか。海織が不思議そうにこちらを見ていた。


「あ、うん。ごめんごめん。電車の時間もあるし行こうか」

「うん。乗り遅れると沙夜ちゃんたちに怒られるからね」


本日の予定は、四日市あすなろう鉄道に乗りに行く。その2である。

そして今回はお仲間が2人増えて……斎宮さんと柊も同行。斎宮さんはこの前来た時に俺の時刻表見つつ……というので知ってそのまま参加。

柊は……なんか気が付いたら……暇だし。行ってみるか。みたいな感じで参加決定。以上である。


「っか柊も一緒にって事だけど――柊はちゃんと卒論しているのだろうか」

「どうだろう?沙夜ちゃんは何とかやった!って言ってたけど」

「うーん。まあ……大丈夫か」

「どうだろうねー」


苦笑いの海織。うん。多分俺と同じことを海織も思っている気がする。


「—―後で楓君が大変かもね」

「それはそれでおかしい気がするんだけど……」

「ほらほら楓君とりあえず出発出発」


ということで海織に背中を押されて俺は家を出た。


そして海織とともに伊勢川島駅へと向かう。

この後は多分今頃電車に乗っているであろう柊と斎宮さんと電車の車内で合流予定である。菰野駅を13時07分発の電車に乗るということで話が決まっているのでね……海織と斎宮さんの間で。うん。男性陣は時間に口を挟んでいません。


あとなんで午前中からじゃないのかというと――。


「朝はまだ寒いよー。お昼くらいから動いて。おやつ食べて帰ってこようよ」


と、いう斎宮さんの案が通った。斎宮さんの案に賛成した海織は――「あっ、それいいね。どこかお店探してみるね」といっており。柊は……「昼なら朝ゆっくり寝てれるな」とまあ、うん。そんな感じでした。

俺は……何時からでもだったんだが。口を挟むと……なので特に何も言わず「了解」とだけ海織との会話で言ったような……うん。確かそんな過去の出来事であった。


「ちょうどいい感じだね」


そんなこんなで俺と海織は伊勢川島駅へとやって来た。

現在の時刻は13時12分。うん。確かにちょうどいい時間だ。早すぎず遅すぎずといった感じ。


改札を抜けてホームへと移動すると。平日のお昼ということもあってか。駅のホームは空いていた。

そうそう、本日平日です。4人とも講義がお休みというか4人で受けている講義が休みになったのでね。その日に決行となりました。


少し駅のホームで海織と話していると遠くから電車の走る音が聞こえてきた。

音が早くから聞こえてくる。ということは……うん。このあたり。世間様が静かという事か。夜とかも結構電車の走る音。特に鉄橋とか走る音が響くのだが。今日はこの時間でも響いていた。まあそういう日もあるか。

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