第276話 餅つき大会3 ~おばちゃんたちと~

大量のもち米が現在目の前にある。

うん。おばちゃんたちにも一応確認したがやっぱり全て今日使う分のもち米だった。


もち米は前日から水に浸けておく必要があるからと、まあありとあらゆるボールとかに米が入っていた。

っておばちゃんたちの体力凄いな。昨日というか。大晦日の日から神社に手伝いに来ていて、、、。日付が変わった後はわからないが。家の事もあるだろう中。餅つき大会の方の準備もしていたとか。すごい。とか俺が思いつつ。このあとは蒸す必要があるからとそっちの準備に俺は取り掛かった。


のだが……1人のおばちゃんが。


「これって全部つくのかね?」


と、もち米を水からあげている時に言った。まあ俺はもち米を見た瞬間に思っていたが。やっぱりおばちゃんたちも感じてるよな。うん。


「確かに……これ全部つくのってなかなかの時間が。臼と杵が何個あるかわからないんですが……」

「1つじゃなかったかい?」

「えっ?1つなんですか?この量で」

「確か1つじゃなかったかい?ねえ?」

「うん。たくさんなんてあったかね?」


うん。このもち米を1つの杵と臼で……まあたくさん人が来たらいろいろな人が順番順番にするから……だが。

俺は1つと聞いて再度もち米の量を見る。うん。ちょっと時間がかかるんじゃないかな?


「これ機械持ってこようかね?お餅をすぐ食べたい人もいるじゃろうし」

「だね。ちょっとくらい中でもち作らないと大変なんじゃないかい?」

「ならうち近いから出してくるよ」


と、おばちゃんたちの中ではそんな会話が始まったので……。


「じゃあ俺、聞いてきますよ。って担当は――」

「あのマッチョ君でいいわよ」

「だね。あの子がしっかりしきってくれてるから。今年は地区の男性たち楽してるからね。またお酒飲んでなければいいけど」

「……わかりました。とりあえず難波先輩ですね」


と、難波先輩。この地区のリーダー的な存在になっていた。ってか。マッチョ君って呼ばれているのか……うん。ってかすごいな。そんなことを思いながら俺は外に難波先輩を探しに行った。


そしてまあ難波先輩はすぐに見つかったんだが――ちょっと目の前の光景が……。


「……臼って1人で持てるのか――?」


うん。外へ出るとちょうど臼を運んでいる難波先輩が居たのだが……うん。そこそこ大きさのある木の臼を1人で普通に持ち上げて運んでいた。


「持てるらしな」

「……柊は何してるの?」


突然俺の横に現れた柊は……バケツに水を入れて運んでいた。


「ちょっとな。その他の手伝い。水触らないって言ったのにすぐに触ることになったよ。ってかめっちゃ水冷たいし。ってかあの臼を軽々1人で持てるとか。ありえん」

「今子供が居たら大騒ぎだろうな」

「あー、すでに裏でなってたぞ?」

「……もう子供たちいるの?」

「なんか誰かの子供で付いてきたみたいだな。でも危ないからって駐車場でまだ待ってるとか言ってたな」

「なるほど」

「じゃ、俺はこれ運ぶから」

「ってそうだ。俺難波先輩に用事があったんだった」


と、俺は柊と分かれて難波先輩のところへ。


「難波先輩」

「おう、どうした加茂」

「あの。おばちゃんたちからなのですが。もち米の量が多いから。家から餅つき機持ってこようか?って言っていたんですが……」

「おうおう、確かにそうだなー。がははー。俺も思ってた、あの量の米つくとなると何時間かかるんだ?ってな。がははー。まあ俺がフルパワー出したら余裕だろうが。餅つきたい奴もいるだろうからな。よし。わかった」

「ってことは……」

「そうだな。中で機械でも作ってもらうか。そしたら始まってすぐ食べてもらうこともできるからな。よし。決定だ。加茂。そんな感じで進めてくれ」

「……わかりました」


とまあホント難波先輩が仕切っていたため。すぐに決まった。


俺はすぐに室内へと戻り。


「難波先輩から機械でもお願いします。とのことでした」

「了解了解。なら私が持ってこようかね」

「あっ、俺手伝いましょうか?」

「あらいいの?助かるわ。じゃみなさんちょっと取ってきますから」

「はいはーい」

「はいよ」


ということで俺はしばらく1人のおばちゃんとともに行動することに。って本当に家が近かったので……普通におばちゃんの家まで付いていき……玄関で待機。

のち室内から餅つき機が出てきたらそれを俺が公民館まで運ぶ。うん。寒かったのにおばちゃんの家から公民館までそこそこの重さがある餅つき機を運んだら汗かきました。うん。暑いです。


まあかなりの重労働だったが無事に公民館に餅つき機が1つ到着。そしてすぐに水から出してあったもち米を突入。からの後はほぼ全自動。楽である。これはおばちゃんたちにまかせて――と思っていたら。ちょうどそこに柊が来て――。


「楓。こっち終わったか?難波先輩がそろそろ外で餅つくから来てくれだってよ」

「了解。じゃ、俺は外に行ってきます」

「はいよ」

「蒸したお米ももうすぐもってくからね。マッチョ君に言っといて」

「はい。わかりました」


俺は柊とともに外へ。

外に出てみると。ブルーシートが敷かれてそこに臼と杵が準備されていた。


「よーし、まずは俺たちでテストでやるぞ!」


そんなことを難波先輩が言って……先ほど中で蒸していたもち米がおばちゃんとともに登場。


そしてそこからペッタンペッタン祭りが始まった。のだが――。


「難しい」

「なかなか。しんどいな」


俺と柊はなかなかの苦戦。なお難波先輩はさすがのパワーというか。うん。はじめに見本とか言って地区の人と餅をついていたが。あっという間に餅が出来ていた。


時間との勝負ということで素早くする必要があるのだが。うん。俺と柊ははじめこそは……だったが。何回もするとなると……だった。


餅つきのはじめはグイグイ押す感じで粒を潰していくのだが……ここでも力は必要だし。その後は滑らかになるまでつくのだが――これがすごく大変だった。


まあそんなこんなで餅をつきだすと。どこからと人が集まってきて――。


「おーし、並べ並べ。順番だぞ」


うん。すぐに子供に囲まれた。そして子供の輪の外には保護者?親の人も集まってきて……なんかすごい人。


今度は子供たちへの見本ということで難波先輩がやるぞ!いうと周りから歓声が。いや、うん。すごい。ホント慣れているというか。あっという間に餅が出来ていくし。テンポも良い。見ている子供たちや保護者からも「おお」という声が聞こえてきている。


俺と柊は……蒸したもち米を運ぶとか。出来た餅をふるまう方にそっと移動していった。うん。それが正解な感じがしたのでね。

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