第268話 お手伝い6 ~戻って来た~
駅から神社へと歩いている時。前から数人の人とすれ違った。少しは人が動いている様子。これだけ寒くて雪が舞っているんだがね大晦日という力か。うん。普通なら暖かい部屋で……とか思いそうなんだが。やっぱり1年の終わりちゃんとしよう。とかになるのかな?
そんなことを思いつつ神社へと1人歩く俺。寒いです。
♪♪~
すると。俺のスマホが鳴った。今日はよく電話がかかってくる。
「……また斎宮さんだろうか」
とかつぶやきつつ。スマホの画面を見ると――。
「次は柊か」
俺は電話に出る。
「もしもし」
「おー、楓。今どこだ?」
「もう湯の山温泉駅着いた。もうすぐ戻るから」
「行って帰ってる来るの早いなー。もっと時間かかるかと思ったんだが」
「いやそんなに早くはないと思うが……」
うん。ちょっと四日市で乗り換えの待機時間が長かったし。そもそも海織の家でもパパっと見つけれたらもう1本早い電車に乗れたかもだし……。
「ってか楓、雪降って来たんだが」
「うん、知ってるというか。今雪に攻撃されながら歩いてる。めっちゃ寒いし冷たい」
「ってことでなんか飲み物ついでに買ってきてくれ。ちなみにこっちには甘酒が準備されたが……さすがにがぶがぶ飲むのもだからな」
甘酒かー。とか思いつつ――。
「……冷たいコーヒーとか?」
「なんでそこでコールドなんだよ。凍えるよ!ってか楓が沙夜に似てきたー」
なんか電話の向こうがうるさかったが。まあそれは気にしないで――。
「……それは……何というかだが。ってかこのあたりコンビニあったっけ?」
「駅があるさ。あそこなら自販機がある。駅の周辺にも少し自販機はあったと思うし」
「……戻れと?地味にそこそこもう神社の近くなんだが……」
多分もう少し歩いて行く神社の鳥居が見えてくるはずなんだが――とか思いつつ柊との電話は続く。
「イエスイエス。こっち全然バタバタとかしてないしな。それなりに人は来るが俺もちょっとテントでお手伝いしかしてないし。あー、沙夜と宮町さんは少し前から頑張ってるな。お守り売ったり。おみくじやらやら」
「……巫女さんはこれからだからな――ってやっぱりコールドでいいか?」
「なんでそうなるんだよ。ホットだよホット。暖かいのが必要に決まってるだろ?」
「はいはい。適当に買ってくよ、冷めるかもだが」
「あー、そうか。じゃ楓買ったらダッシュで」
「……」
とかなんか柊と話しつつ。俺はまた湯の山温泉駅へと向かっていた。なんで俺は行ったり来たりしているのだろうか……って寒い。ホント寒い。あと冷たい。雪冷たい。
再度湯の山温泉駅にやって来た俺。自動販売機で――適当に飲み物を買って今度こそ神社へと向かう。
気のせいでなければ……先ほどより雪が多く降って来たような……うん。粒も大きくなり結構降ってきた気がする。
そこからしばらく神社に向けて歩いていると――神社に到着する頃には服に雪がしっかり張り付いていた。って服に付いた雪が全然溶けないからかなり寒いらしい。あと……手袋持ってくればよかった。とか思いつつ冷たい雪を服から払う。
神社に戻って来ると。確かに人であふれている。ということはなかったが――。
出発した時より人が多く居てお参りをしている人。友人?知り合い?と会ったのか境内で話している人もちらほら……ちなみに柊はテントのところで甘酒配りをしていた。あと日本酒?とぜんざいがあるのか。机のところに紙が張り出されていた。
俺が神社を出発してから少し神社の雰囲気が変わって気がする。
「おっ、来た来た」
「おつかれ。はい。コールドコーヒー」
「マジか!ってガチでか!?この寒いのに。ってまあここストーブあるから暖かいんだがな」
「早急に交代するも可能。ってか一応ホットだったが微妙な感じに冷めた」
「だよなー。これだけ寒いからな。ってことでサンキュー」
「残りは部屋に置いておくから」
「OKOK。またもらう」
「全部飲まないように。さて俺も手伝うか」
「ってか楓」
「うん?」
「宮町さんへの荷物はいいのか?」
「……あー」
うん、そうだそうだ。これを頼まれて俺は海織の家まで行っていたんだった。と、思い出した俺は海織と斎宮さんが居るところへと移動することに。
「あーそうそう楓。あと向こうは面白いものが見れるぞ?」
「うん?面白いもの?」
「行ったらわかる。多分さっきもだったからな。あっ、はい。甘酒ですね」
と、なんか柊がそんなことを最後に言っていたが……そこでお客さんというか。お参りに来た人が甘酒を。とやってきたため俺はとりあえず2人が居る方へと移動することとした。
「あっ、楓君お帰りー」
海織と斎宮さんは神社の社務所?って言うんだったかな?うん。海織の御朱印巡りのお相手していたからか。社務所。という言葉はすぐに出てきたが……それがここであっているのかは……わかりません。でも多分社務所だと思う。
で、社務所?にやって来た俺。すぐに海織がこちらに気が付いて手を振ってくれた。どうやら今は参拝者の人は居ないらしいのだが……うん。うん。
「……」
「うん?どうしたの?楓君」
「……いや、斎宮さんは何してるの?」
「あー、ちょっとね」
俺と海織は今居る場所からではちょっと離れていいて、ちゃんとは見えないがチラチラと絵馬やおみくじを結ぶ紐があるところで何故か――撮影会をしている斎宮さんの方を見るのだった……。
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