第265話 お手伝い3 ~近鉄四日市駅16時01分発~

近鉄四日市駅16時01分発の津新町行き普通電車にいい感じに乗り換えができた俺はすでに近鉄四日市駅を離れて……現在は、海山道みやまど駅を電車は出発したところ。


はい。順調に海織の家へと向かっています。


そして16時12分。

楠駅に到着。

俺は改札を抜けると海織の家へと向かう。って、ホントどんどん寒くなって来た気がする。


気のせいであると思うが……先ほど難波先輩と居た時はあまり寒さを感じなかったというか……湯の山線の車内が暖かかったのか――いや、もしかしたら難波先輩の熱気も……それはないか。


うん。でも今はめっちゃ寒い。風がめっちゃ冷たいというか。強くなってきた気がする。

そしてあと1時間もしないうちに太陽も沈んでさらに寒くなるだろう……ってなんか雲多いな。うん。天気が怪しくなってきたな。ちょっと雲が出てきました。


俺はそんなことを思いつつ海織の家の近くまでやって来た。


すると――。


♪♪


「うん?」


俺のスマホが鳴る。画面を確認してみると……。


「……斎宮さんか」


向こうで何かあったのかな?と思いつつ電話に出てみると――。


「……もしもし?斎宮さん?」

「あっ、楓くん?今どこに居るの?」

「えっと……海織の家の前?」


そういえば斎宮さんには出かけることを言わなかったからもしかして探されている?とか思っていたのだが……。


「おお、ナイスタイミング」

「……うん?」

「いやいや、楓くんの姿が見えないなー。って思ったら柊が海織ちゃんの家に行ったっていうからね」

「えっと――で何か用事でしょうか?」


何だろうなんか嫌な予感が一瞬しました。はい。直感ですがね。


「そうそう楓くん楓くん」


すると急に小声になった斎宮さん。ますます嫌な予感です。はい。


「……なんか嫌な予感がするんですが……」

「せっかく海織ちゃんの家に本人がいない時に入るんだからいろいろあさらないとね!」

「……」


急に声が明るく元気になりました……ってこのお方は何を言いだすんですかね?


「……あれ?もしもーし電波が悪いのかな?そこまでここ山奥じゃないと……って山奥になるのかな?」

「いや……聞こえてはいるけど――頼まれたもの持ったらすぐそっちに戻りますので」

「えー、チャンスだよ?海織ちゃんの秘密をね。うんうん。こういう時にあさって……」

「楽しそうだね。斎宮さん」

「うんうん。巫女さんがかわいくてねー。なんか、楽しくていろいろ思いついちゃうんだよ」

「……」


うん。この元気な感じというか。ちょっとぶっ飛んでいる感じの巫女さん……大丈夫かな?とか思いつつ。


「ところで斎宮さん準備とかいいの?」

「うん?あーうん。今ね海織ちゃんと交代して私の休憩時間。今のうちに休んでけー、みたいな感じでね。さっきまで海織ちゃんが休んでて今は私が休憩中」

「……ならゆっくりすることをお勧めしますが――そのうち忙しくなると思うし」

「大丈夫大丈夫1日くらい余裕だよ」

「……」

「で、そろそろ海織ちゃんの家?」

「……まあもうすでに中に居て、頼まれた荷物も持ってカイロ探してるところなんだけど」


うん。斎宮さんと話しつつ俺は普通に海織の家に到着し。鍵を開けて中に入り。すでにポーチは見つけて。あとは予備のカイロを探しているところ。確かボックス。棚のところとか言ってなかったかな……とか思いつつ。斎宮さんと話していた。


「楓くんそこは海織ちゃんの私物あさりでしょ。なんで普通に頼まれたことしかしてないのさー」

「いや、普通は頼まれたことしかしないのでは――なのでカイロ探しているだけです。はい」


うん。斎宮さんのテンションが高いというか……うん。困ったもんです。多分電話切っても……「なんで切るのー」とか言いながらすぐ掛けなおしてきそうだしな。とか思いつつ電話を続けつつカイロを探す俺。


「私なら間違いなく。タンスをあさるね」

「……通報されないように」


と、カイロが見つかるまで何故か斎宮さんと謎なやりとりをしていて――いや、ホント変なところとか開けてませんし探してませんからね?


そして少しして……。


「あったあった」

「うん?海織ちゃんの秘密ゲット?」

「だから。って斎宮さんホントちゃんと休める時に休んだ方がいいと思うけど?」

「大丈夫だよ。元気元気だし」

「ほんとかな……ってそろそろ戻るから電話切っていいでしょうか?」

「えー、なにか面白いもの見つけなかったの?これさえあれば海織ちゃんに命令できるとか」

「何もないです。じゃ後で」

「あっ、楓くん楓くん」

「……はい、何でしょうか?」

「こっち雪降って来た」

「まあ寒いからね……はい!?」


ちょっと待って今斎宮さんなんて言った?


「うん。今ふと外見たら雪舞ってるよ」

「マジ?」

「マジマジ。なんか視線の端に――って思ったら雪だよ。そりゃ寒いわけだね」

「……こっちは……」


と俺も室内を移動してリビングから外を見てみると――。


「曇ってはいるけど何も降ってはないね」

「あー、じゃこっちだけだね。さすが山。ってことで楓くん」

「はい?」

「後で何見たか教えてね?にひひー」

「だから。何も……」

「はいはい。わかってますよー。楓くん真面目だからね。じゃ気をつけてね」

「……はい。じゃ」


と、やっと斎宮さんとの電話が終わり……頼まれていた物も見つかったので後は戻るだけ。

その前にスマホを手に持っていたので海織に一応メッセージを送っておいた。まあ斎宮さんが休憩中とのことだから……動いているはずの海織はすぐには見ないだろうが――と思いつつ。メッセージを送り。


忘れ物がないかチェックのち俺は玄関に移動。

そして施錠確認のち海織の家を出発した。


鍵の確認はね何度してもいいと思います。はい。あとであれ?っとかになるのでね。ってか寒い。めっちゃ風が冷たいです。

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