第258話 クリスマス8 ~湯の山温泉駅22時33分発~
隣に居るお2人が瓶をさらに1つ空にした頃。
「なんか楽しそうな笑い声が聞こえるんだけどー。なにしてるの?」
そう言いながら斎宮さんがまず部屋へと戻って来た。
「おかえり。終わった?」
「うん。私はOK。着れた着れた。セーフ。でもあれだね。寒いね。当日はちゃんと対策しないと」
「巫女さんの服って言うか。正月とかに神社に行くと。あの服装で寒くないのかな……って思ってたんだけど。やっぱり寒いんだ」
「うん。今日でも寒かった。でもかわいかったー。海織ちゃんも似合ってたよーってこれは当日のお楽しみか」
「はははー」
「で、なんで柊はこんなにこの場に馴染んでるの?」
「まあお酒の力ですかね」
「……大丈夫。おじいちゃんの方も?」
「あっという間に1本。さらに――だからね」
「あー、嫌な予感するー。これ強そうなお酒じゃない?」
「どうなんだろう?あまり詳しくないので……」
「そういえば楓くんが飲んでいる姿あまり見ないね」
「まあそんなにだからね」
「柊は好きみたいだけど……ってそういえば稀にしか酔いつぶれないかなー。うん」
「まあ今は――楽しそうだからまあいいのでは?」
「だね。どうなっても知らない。って。楓くん。海織ちゃん戻ってきたよ」
と、斎宮さんが言うと先ほど斎宮さんが戻って来たドアにところから海織とおばあさんが入ってきて――。
「じいさん。また飲んでるの?もう」
と言われていた。おじいさんお酒好きみたいです。
でもなんか。楽しそうなのでそのまま……という感じになっていたのだが。
「寝たね」
しばらくして斎宮さんが言った。
「まあそんな予想はしていた」
「だねー、楽しそうだったからね」
俺と海織も柊とおじいさんの方を見る。うん。もうそろそろ就寝の時間でしょうか。とりあえず、巫女さんとお手伝いが決まって安心したのかな?それにもうすぐに年末年始で大忙しになるんだからね。今日くらいは……なのか。まあ俺神社の事は詳しくないのであまりわからないのだが――。
「じいさん。ちゃんと部屋で寝なさいよ。もう。人様の前で」
うん、おばあさんも大変そうだが……慣れている感じですね。っかあれから俺たちもおばあさんにお菓子とか飲み物を出してもらい再度話していたのだが……そろそろ時間もいい時間なので帰らないとだな。と俺が思うと同時くらいに。
「そろそろ私たちも帰ろうか?」
「だね。すっかりここに馴染んでたけど」
と、言うことでちょっとおばあさんの片付けのお手伝いや。おじいさんを部屋に運んだり……とちょっとありまして。
「じいさん寝ちゃってごめんね。あと当日お願いね」
「「はい」」
と、まあおばあちゃんに見送られて俺たち3人は神社を後にした。
――――。
えっ?柊はどうしたかって?
えっちゃんと居るよ?外に。
「あー、寒い。これ風邪ひく。なんでお開きになったらすぐに外に追い出されるんだよ」
「目が覚めるでしょ?」
「覚めてるよ。眠くないし」
外で待機していた柊と合流。
「って、柊。近づかないでね」
斎宮さんがしっしっ。と手を払っている。
「なんでだよ」
「お酒臭いから」
「そんなにか?」
「うん。すごく臭う」
まあとりあえず1人酒臭い人が居ますが……まあいいだろう。俺たちはおばあさんに再度お礼をいい。神社を後にした。
「ってか来るときより静かで暗い」
「時間も時間だからね」
俺は海織とともに前を歩いている。
「でもなんか。あっという間だったね」
「まさかのお肉も食べれたしね」
「だねー。びっくりだよ。楓くんがいい情報持って来てくれたからだね」
「えっ?」
「でしょ」
「あー、まあ難波先輩からだけどね」
とか話しつつ俺たちはまた駅へと10分強の道のりを歩いた。
にしても……ホント暗かったです。そして寒かった――うん。
湯の山温泉駅に帰って来たのは22時25分頃。
「次の電車は22時33分発か」
「でもすぐだね。よかった。待ち時間が長いと凍えちゃうからねー」
と、海織と話していると――。
「あー、酒臭い。近寄るな―」
まだなんか言い合いしてますね。あちらは。
「……斎宮さんの方は大変そうだね」
「だね。楓君も飲んでたらよかったのに」
「—―なんで?」
「面白そうだから?」
「面白いって」
「ふふふ」
しばらく駅のところで俺たちは電車が来るのを持って……。
うん。ちなみに待っている間ずっと斎宮さんと柊はあーだこーだ言っていて。最後は柊が蹴られていた。近寄るなー。という感じで。っか。ちょっと柊もいつもより斎宮さんに絡んでいるというか。まあお酒でいい雰囲気なんでしょう。そのあたりで酔いつぶれてないだけマシと思う。とか思っていた俺だった。
そして四日市方面から電車が湯の山温泉駅に入って来ると。俺たちは改札を抜けて素早く電車の車内へと乗り込んだ。外、寒かったからね。
ちなみに乗客は俺たち4人だけでした。
まあこの時間だからね。もし今から四日市方面に行っても……こっちに帰ってくる電車の最終にすぐなるし。うん。まあ先ほど着いたこの電車から降りてくる人は数人いたんだけどね。まあ皆さんもう家に帰る時間です。俺たちも帰りましょう。はい。
そして22時33分発の近鉄四日市行き普通電車が湯の山温泉駅を発車した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます