第257話 クリスマス7 ~暖かい場所です~

「うっめー」


柊の声が隣から聞こえてくる。


俺たちは現在難波先輩経由での年末年始に巫女をしてくれる人を至急探しているという神社へとやってきている。


で、女の子2人がいろいろ話を聞くのだと思っていたら――。


俺たちを神社の建物の前で待っていてくれた優しそうなおじいさんおばあさんは俺たちと挨拶をしてすぐに……。


「まあまあ、こんな時間にお呼びしちゃってね。何のもてなしもできないけど。ちょっと食べてって」


と、おばあさんに言われまして……。

おじいさんには「入った入った」と言われつつ神社の中案内されて――現在はちょっと広い和室に俺たちは通されて……おじいさん。まあ神社の人ですね。と話していると――。


まあ出てくる出てくる。料理の数々。おばあさんがどんどん運んできます。


うん。俺と柊なんて行くことすら海織の電話の時には言ってなかったはずなのに。ちゃんと準備があった。


ちなみにおばあさん曰く。


「もう暗い時間だからね。誰か付いてくる人が居ると思ってね。余分に準備しておいたんだよ」


とか、言っていました。おばあさんすごいです。はい。


なので俺と柊も美味しい料理にありつけています。ってすき焼きである。うん。お肉キター。というのが現状である。


「さあさあ、食べて食べて」


初めて来たというか。はじめて会ったのに……ここまでしてもらえるとは……と思いつつ。はじめは俺たちもちょっと遠慮……がはじめはあったのだが。おじいさんおばあさんの暖かいこの場の雰囲気により……というか。話していると良い雰囲気になり。普通に楽しく今は食事の時間となっている。


「にしても、こんなかわいい子2人がじいさんの手伝いを今年はしてくれるなんてね」

「あの。難波というやつ。昨日の今日で。すごいやつだ」

「ねえねえ海織ちゃん。私たちめっちゃ褒められてる?」

「沙夜ちゃんかわいいからだよ」

「それは海織ちゃんでしょ」


なんか女の子2人は嬉しそうに話してますね。するとおばあさんが……。


「そうそう、後で巫女さんの服着てもらわないとだね。じいさん」

「うむ。ちゃんと準備してあるか?」

「ありますよ」


そんな会話をしていたのでそれを聞いていた斎宮さんが自分のお腹を見つつ。


「……ヤバ。結構私食べてる……」

「大丈夫だろ。沙夜はいつも通りだ――っ!!」


うん。なんか柊の顔が……あれは余計なことを言ったから斎宮さんが机の下で何かしたな。うん。とか思っていると――。


「楓君楓君」

「どうしたの?」

「ここすごくいい雰囲気だよね。ちょっと暗かったから外はあまりわからなかったけど」

「うん。良いところだね。っかホント近くにある場所とかって全然知らないんだよね」

「だねー」


この神社。結構古い建物らしいが手入れもしっかり行き届いているみたいで。とってもきれいなところである。


「あと、まさかのクリスマスにちゃんと豪華な晩御飯になったね」

「確かに。あっ、そういえばさ。ちなみに海織。晩御飯どうするつもりだったの?」

「あははー。実はケーキばかりで本当に忘れてたんだよねー。だから……楓君。美味しいもの作ってー。って今日は言おうかなー。って思ってた」

「……マジか」

「うん」


まあ海織でもたまには忘れる事あるよね。ケーキ頑張ってくれたし。ケーキホント美味しかったし。うんうん。


と、まあそんな感じで話しつつ。途中からはおじいさんおばあさんとまあ自分たちの事をちょっと自己紹介のような感じで話しつつ。まあ楽しくお食事をしました。


はい。


そしてそれからは女の子2は部屋の奥へおばあさんと。


で、男2人—―いや3人か。


俺たちは外に出てきていた。寒い中。


理由は……。


「いやー、これは今年は無理かのーと思っていたんだが。若いのが2人も居てくれるとの」


俺と柊はおじいさんとともに行動していた。

えっと……なんか俺と柊も手伝うこととなりそうです。


どんど焼きって言うんだったかな?おじいさんに案内されて俺と柊は穴が掘ってあり。木の丸太が組まれているところへと来ていた。なお暗いため。おじいさんは懐中電灯。俺と柊はスマホのライトをつけている。


「今年は火の番をする人が居ないから無理かの。って思っとんたんじゃが」

「なるほど。これを俺と楓で」

「そじゃ。大晦日の夕方。くらいからかの。火をつけて翌朝……まあ消えるまでじゃな。毎年のやってたからの今年もできる見込みが立って嬉しいわい」


俺たちは穴を見つつ話している。うん。なんかテレビとかでもっと大きなやぐら?とか丸太が組んであって燃やしているのを見たことあるが。それと比べるとここのはかわいいサイズというか。うん。むしろ今つけてもらってもいいかも。暖かそう。って駄目か。


「まあ毎年大晦日ってなんやかんやで起きてるしな。なあ楓」

「まあだな。問題はないかな」

「まあ当日暖まってくれたらいいからの」


とかそんな話をして室内へと戻る。


女の子2人の方はまだみたいだったので……。


「ほらほら。飲んだ飲んだ」

「ありがとうございます。ってこれ美味しいですね」

「じゃろじゃろ」

「……」


うん。いいのかな?なんか俺の横では飲み会が始まったんだが――。


おじいさん棚から瓶また持ってきたよ。で、もう柊とずっと飲んでるよ。あっ、俺は大丈夫ですと言いました。はい。なんかね。直感的に今は飲むな。みたいなのが働きましてね。


「あはは」

「わはは」


お隣は楽しそうです。はい。

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