第187話 土曜日12 ~やっぱりここ実家じゃないわ~
鳥羽駅を過ぎてから俺と斎宮さんは座席を交代。何故交代したのかは今のところ俺はわからないのだが……斎宮さんと席を交代してから……海織さんが俺にもたれてくつろいでおります。俺は背もたれにでもなったんですかね?
ちなみに斎宮さんは――大人しく座っています。はい。
うーん。悲鳴はなかったからよかったと思ったのだが……何か無言のやり取りがあった様子。
「ところで海織はどちらに?」
「あっ、起きたらね2人とも気持ちよさそうに寝てたから。ちょっとびっくりさせようと思って一番後ろの車両のデッキにね」
「あー、なるほど。だからトイレしか見に行かなかった斎宮さんは見つけられなかったと」
「そうそう、そしたら楓君と沙夜ちゃんがイチャイチャしている写真を送って来るとはね。2人とも。強くなったねー」
「強くなったって何でしょうか、というか。うん。俺は座っていただけです」
「ふーん。結構楓君にやけてなかった?」
「ないです」
「そうかなー、この写真」
「再度見せてこなくていいですよ?」
「ほらー、楓君いい顔してるよ?ほらほらー」
うん。しばらく海織にいじめられました。
お隣の斎宮さんは……うん。再度「やっちまったーごめん」みたいな感じでこちらを……拝んでいた。拝んでいたというか――うん。まあそんなポーズしていた。
とりあえず言えることは……。
「海織」
「何?」
「車内では大人しくしていましょう」
「えー」
「いやいや、えー。じゃなくて」
「はーい」
「……よろしい」
「ふふっ」
最近の海織。やんちゃに芽生えたというか。何というんでしょうかね。いたずらに芽生えた?まあなんというかいろいろ大変です。
車内の移動中でなんやかんやとありましたが。無事に電車は鵜方駅に21時46分に到着。近鉄四日市駅で遅れていた2分はいつの間にかなくなり。定刻通りとなっていた。
「着いたー。真っ暗だね」
ホームに降りると海織が背伸びをしている。すると。後ろからツンツンと――。
「楓くん楓くん」
「うん?なに斎宮さん」
「海織ちゃん怒ってない?怒ってないよね?」
「えっ?うん。普通だと思うよ?」
「ホント?さっきめっちゃ怖かったんだけど……大丈夫?」
「まあ――うん。何かあるかもね」
「えー、私抹殺されちゃう?」
「行動をしたのは斎宮さんかと」
「楓くんに見捨てられたー」
「2人とも?行くよ」
「はい!」
斎宮さん元気ですね。うん。海織に声をかけられると。スタスタと斎宮さんは海織のお隣へ。なんか腰が低くなった?気のせいか。
とりあえず。改札を抜けると……うん。珍しいこともあるもんだ。
「あっ、おばさん。お久しぶりです!」
「あらー。海織ちゃん久しぶり」
海織が俺より早く親を発見。うん。改札前までお出迎えとはどういう事だろうか。そして……今は斎宮さんが観察されているというか。母親にチェックされていまして……お迎えに来てくれた母親はチェック後ささっと俺の横に来て――。
「あんた」
「うん?」
「なんであんたなんかにこんなにかわいい子がポンポン付いてくるのよ」
「—―」
そんなことを母親に言われた。うん。言われました。
その後車へ移動。母親は斎宮さんも即効で気に入ったのか。いろいろ質問攻めにしていた。うん。なんでこうなっているのかな?
車に乗ると車内はずっとガールズトークでした。ちなみに母親だけなのは家で父親とじゃんけんをして勝った方が迎えに行くとかそんなことをしたかららしい。って、なんで2人ともそんなに迎えに行きたがったのか……普段俺だけならそんなことなかったよね?って、うん。ホントどういうことかな?
駅から実家までの間は――本当にガールズトークのみ。俺は一切話すことなく。家までやってきました。はい。
そして夜なので真っ暗です。波の音は聞こえているが……うん。暗くてわかりませんね。
そんなことを思いつつ。家の中へ――。
ちなみに俺は荷物持ち。すでに女の子2人と母親は家の中。
俺が荷物を持って部屋に入ると……うん。楽しそうなことで。父親も混ざり何か……うん。楽しそうですね。飲み物とかつまみまですでに机に出ているし。って、うん。俺の実家は俺が帰って来た時はこんなおもてなしなかったぞ?やっぱり……ここ俺の実家じゃない説が濃厚になってきた。
「荷物。ここに置いとくから」
「あっ、ありがとー、楓君」
「ありがとー。って美味しい!」
俺声をかけた後はとりあえず――うん。多分俺はこの部屋に居る必要がないと思われるので自分の部屋に移動した。
もしかしたらここが本当に俺の実家じゃない説が正しいと。俺の部屋もなくなっている可能性が……とか考えていたが。無事に部屋は残っていた。どうやら――俺の部屋以外が俺の実家じゃない説。らしい。
なんか楽しそうな声がこの部屋にも聞こえてきます。今日初めて会った斎宮さんもすでに巻き込まれているようだが。ちょくちょく楽しそうな声が聞こえてきているから……大丈夫だろう――多分。
ちなみに現在23時前ですからね。うん。これいつまで続くのかな?
全くこの先が見えない為。俺は風呂に入ることにして、さっとシャワーを浴びてきて部屋に戻って来たが。その後もまだ楽しそうな声が聞こえていた。
何だろう。ここ……居酒屋かなんかだったかな?
っか居酒屋で思い出したが――お酒出してないよね?海織は大丈夫と思うんだけど……。
もう一人がですね……はい。
――。嫌な予感。とか思いつつ。全く予定になかった実家に帰って来る。が行われている現在でした。
そういえば……柊は大丈夫かな――?と。スマホを見ると――。
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