第164話 火曜日 ~伊勢川島駅12時10分発~

一応報告は必要なのだろうか――はい、必要ですね。うん。必要みたいです。どことなく。省略が使えない感じです。


昨日は斎宮さんがかなり必死に……というのか。俺と海織が喧嘩をしていると思ったらしく。あれから湯の山温泉駅のベンチにて電車に乗るまで、ずっと俺は斎宮さんに「楓くん。思い当たること本当にないの!?今すぐここ数日の記憶思い出して!海織ちゃんがあんな態度とるってことは楓くん!大変なことしたんだよ!」とかいろいろですね。はい。取り調べを受けました。湯の山温泉駅のベンチで……ここ大切です。はい、駅でそんなことをしていたので……結構な視線を感じた気がします。はい。絶対何してるんだ?あの2人。ってことになりますよね。うん。


――まあ今はとりあえず忘れよう。うん。他の事がいろいろとあるのでね。


ちなみに現在はあれから数十時間?経過しており。すでに翌日のお昼前。伊勢川島駅にて電車を待っている。


はい。昨日はなかなか大変でした。今一度というのか。再度昨日のことを思い返しつつ。過去の事も思い出していたのだが……うん。海織は先週の金曜日までは普通だったし。俺の家にも当たり前のように居た。来ていた。ただこの土日は居なかっただけだと思うのだが。


そして斎宮さんは海織が俺の名前を呼んでないとも言っていたが……うん。昨日はそこまで長い時間話していないのでたまたまな気がするのだが。とか思っていると。こちらはいつも通りというべきだろう。伊勢川島駅に湯の山温泉行きの普通電車が入ってきた。


いつもの電車はいつもの通り3両編成。今日はラッピングとかではなく。いつもの赤と白……そういえば、いつも赤と白と言っていたが。よくよく車両を見ると。赤っていうのか。なんていうんだろうか。うん。色の名前がわからない。真っ赤。とかいう色ではないような……あと、白の方も白と言っているが――。

あっ、こっちはわかる。クリーム色?というのか白っぽいがちょっと違うみたいな。うん。今はこの話関係ないですね。後日また時間があったら、何色なのかちゃんと調べてみようと思います。はい。鉄道車両の色って独特な色多いですよね。大学に入学して毎日のように近鉄の車両に乗っているが近鉄だけでもあの特急の色なんて言う色なんだろう。とか……ってはい。この話は後日時間があればにします。今は関係ないですね。


現在時刻は12時10分。本日は午後からの講義のため。お昼過ぎの電車に乗車。


――ちなみに、今日も海織は……この車両には居ないらしい。前の車両とかも、電車がホームに入って来た時にさっとというのか。ちょっと見ていたのだが……うん、この電車には海織は乗ってない気がする。


確かに今までだと海織が自分の家に帰っていると。翌日は必ずと言っていいほど。俺が乗る場所。扉の場所を予知。して海織が待っているのだが――今日も海織は居なかった。


確かに違和感はあるが……うん。多分忙しいだけだと思っている俺。


そしてそんなことを俺が考えている間も電車は山に向かっていつものように走っている。


途中、菰野駅に到着すると。前の車両から柊がやってきた。


「おつかれー」

「おつかれ」

「あれ?宮町さんは?」

「もしかしたら、もう大学に行っているのかも。ちなみに斎宮さんは?」

「 あー、沙夜は何か先に行くとか言ってたかな」

「なら海織と一緒に居るかもしれないな」

「なるほど、って、そうだそうだ、この前焼き肉の時も言ったけどさ。ちょっと今週宮町さん借りるが大丈夫だよな?」

「うん。前も言ったけど問題ないから」

「いや、宮町さんも断って来るかとか思ったんだけど。ダメもとで相談したら「いいよ」って、言ってくれたから、ちょっと驚いたというか。まあ俺的にはサークルのお仲間から声かけるだけで良いから。もしかしたら来てくれるかも。とかだったのが。本当に来てくれるになったから。俺に対する態度がみんな変わったんだけどな」

「柊のお友達さんもなかなかなことで。でも海織は基本予定がなかったら、誘ったら来てくれると思うけど……」

「いや、まあいつも楓とセットだから忙しそうに見えるというかな。まあ俺はめっちゃ助かった。ずっと宮町さんも1度で良いから呼んでくれ。ってサークルの人たちに言われてたからな。本当は沙夜も誘ったんだけど。沙夜はヤダって。早々に言われたからな。沙夜は前にも連れて行ったんだが……あのメンバーは面白くないとか言ってたから」

「ははは――大変」


そんな話をしていると、電車は湯の山温泉駅に到着。そしてまた柊と2人で話しながら大学への道を進み、講義室へと向かった。


これからの時間の講義は4人ともバラバラのため。俺と柊も途中で別れた。


「じゃまた」

「ああ」


1人になった俺は自分の受ける講義が行われる講義室へ向かう。講義室に着くとまだ時間より早いからか。室内の人はまばらまあいつも通りの感じの教室だった。


そしてしばらくスマホをいじったりとのんびり過ごしていると。教室内の人が増えて来て……90分の講義が始まった。


――90分後。今日はもうあと1限講義がある。その講義は3人が同じ。俺と海織、斎宮さんが受けている。


教室を移動する必要があるので、俺は受けていた講義が終わるとさっと荷物を持って移動する。休み時間がね、10分だから。遠い教室だと結構ギリギリなんですよ。はい。大学内が広いと教室移動も大変なんです。


次の講義の部屋に到着するといつも座っているあたりに、すでに海織と斎宮さんが座っていて何かを話しているみたいだった。


遠いからだったから見間違えかもしれないが……なんか大事な話をしてます?斎宮さんの表情がそんな感じだった。対する海織は……いつも通りだな。ニコニコ話している。うん。なんで話している2人の表情がこんなに違うのだろうか――。


「……海織、斎宮さんお疲れ様」


俺がそう言いながら2人の近くの席に着くと――。 

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