第143話 レンタカー ~安全運転、安全運転~

4人の乗った特急電車は定刻通り走っている。


少し前に鳥羽駅を出て現在は志摩線の単線区間を走行中。


柊はまだ寝ているが。海織、斎宮さんはすでに起きており。車内の人が減っていたこともあり。スマホで車窓の撮影をしていた。うん。にしても本当にいい天気。どんどん雲という雲がなくなっていき……雲一つない快晴の空が出来上がっている。暑そう。うん。


それから電車は志摩磯部駅に到着。次が降りる予定の鵜方駅のため。柊を起こしつつ降りる準備を開始する。


08時51分。鵜方駅に到着。うん。実家に帰って来たわけではないが――久しぶりに来た気がする。

なお今回こっちに来ているのは親には言っていない。まあ寄る予定もないのと……海織が居るのでね。また前みたいになんか「自分が帰る家を間違った」見たいなことが起こりそうなのと――。

それを柊と斎宮さんに見られるのはね。完全にネタ提供みたいな感じになるので。だから海織にも伝えないようにお願いして――その代わりというのか。昨日はなぜか腕枕をして寝る。という謎なことをさせられているので、俺はちょっと寝不足だったりする。いや、寝不足ではないか。なんやかんやで、いつも寝てるから。っか、今からはちゃんと目を覚まさないといけない。


「楓君。あっちだよね?行こう」

「そうだね。じゃ、柊と斎宮さんは階段降りたところで待っててくれる?」

「了解」

「よろしくね、楓くん!」


俺と海織は先に階段を下りていく。そして向かったのはレンタカーの営業所?って言うのかな。まあ車を借りに行きました。鵜方駅から御座ござへは、路線バスでも行けるのだが……時間もかかるのと。荷物はなるべく減らしたのだが。やっぱりそれなりに荷物があるので、レンタカーを使うことに決めていた。


そして運転は俺と海織の2人がする予定。まあ基本俺がすることになるかと思う。お店に入ると事前に海織と予約をしておいたので、問題なくスムーズに車を借りて……助手席に海織が乗り。俺が運転席。そして柊と斎宮さんのところへ車を走らす。うん。良かった。運転しやすい車。うん。これなら大丈夫だ。


「おお、何か楓くんが運転手って新鮮」


ロータリーになっているところで2人を拾う。そして、車に乗り込んできた斎宮さんの第一声でした。まあそうですよね。向こうでは基本車に乗るということはないので。


「だなー。楓が運転手はなんか新鮮わ。よろしく運転手さん。俺は体力温存する」

「はいよ」


柊の第一声も斎宮さんに近いものでした。そして、柊と斎宮さんを乗せ。鵜方駅から出発「お2人さんもシートベルトして。はい。ちゃんとして」とかそんな感じで出発した。ホント、シートベルト大切ですよ。後部座席の方もお忘れなく。運転手の方は後部座先に人が居る場合はちゃんと確認してから出発しましょう。はい。


しばらく走っていると後ろから声が聞こえてきた。


「楓くんの実家も近いの?」

「えっ?あー、うん。実家の前というか。近くは通るけど――今日は通過です」

「残念ー。でも今日は海を楽しみに来たからね」

「そう言えば楓。海水浴場までどれくらいかかるんだ?」

「あー……どうだろう?1時間はかからないかと。多分……40分くらい?もう少しかかるかな」

「なら寝れるな」

「……寝すぎだろ」

「遊ぶためだな」

「楓君。私は寝ないから大丈夫っだよ?ちゃんと話し相手は居るからね?」

「大丈夫。ちゃんと安全運転で行きますから」

「眠くなったり、疲れたらいつでも私が交代するよ?ちゃんと私も運転できるからね」

「ありがとう。でも長時間じゃないから大丈夫だよ」


ちなみに、海織の運転姿はまだ見たことないかな。


それからは――斎宮さんが柊の睡眠を妨害するかのように、最近流行りの歌をスマホから流してくれたので、車内は女の子2人のカラオケ状態?っていうのかな。にぎやかになりました。


にしても2人とも歌が上手いので、聞いているこちらはとってもいい気分で運転ができました。柊は寝れないと何度か言っていたが。


途中。よく知った道を通過して……駅から40分ほど走って、目的地。御座白浜海水浴場に到着した。


「着いたー」

「おお。白い砂浜。綺麗!って日差しが眩しい!」


女の子2人のテンションがさらに上がりました。


「いやー、いいところじゃん。よし。早速着替えに行くか」

「更衣室確かあっちな」

「OKー」


柊も車内では睡眠妨害。みたいな感じで何か言っていたが。着いたら元気です。はい。


「海織ちゃんも行こう」

「うん。ほらほら楓君も」

「いやいや、男女別ですからね?」

「入り口までだよー」


そんなことを海織は言いつつ俺の手を握る。ってタイムタイム。海織。俺まだ何も荷物持ってないんですけど!車の中!ちょっと。


それからしばらくして――。


「いいね。ここ。ホント海綺麗じゃん」

「そりゃよかった」

「楓の実家めっちゃ良いな。俺毎日来たいわ」


更衣室の近くで柊と話していると……。


「おまたせー!」

「沙夜ちゃん。待って待って」


着替えた女の子2人登場。うん。はじめてではないのだが……うん。この2人すごいです。ホント。


「……楓。宮町さんすげーな」

「いやいや、斎宮さんもすごいよ、って2人ともすごいんだよ」

「だよなー」


目の前の女の子2人。綺麗です。はい。そして水着が今回もとっても似合っています。どうやら2人とも新しい水着を買ったらしく。以前とまた違う姿をしていました。今回の水着は2人ともビキニタイプの水着。はい。大胆と言いますか……うん。すごい。すでに周りからチラチラ視線があるのはわかっているので海織と斎宮さんが来るとすぐに移動開始。


それからすぐ。柊と斎宮さんが海に突撃しました。仲良いですね。向こうの2人も。あっ、周りの方に迷惑をかけないようにお願いしますよ。っか、柊が最速で斎宮さんに沈められた気がするが……気のせいだろう。うん。

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