第122話 結果 ~新キャラ登場?~

いつものベンチいつものお昼休み。現在いつもの4人が集まっている。


「じゃ、ゼミ発表と行きますか!」


柊の声で今日ここに集まった目的。4人のゼミ発表が始まった。


「どうなったかなー?」


海織が楽しそうにカバンから紙を出す


「私第一希望だったよ!」


そう言いながら斎宮さんもカバンから紙を出す。


「一応俺も第一だった。まあ第2希望だったらまだ出揃わないか」


柊はポケットに入れていたらしく小さく折られている紙を出す。


「あっ、私も第一希望だよ?ここに紙が準備出来ているからわかると思うけど。楓君は?」

「俺も無事に第一希望で決まった。紙印刷できてるからね」


そう言いながら俺もカバンから、昨日印刷しておいた紙を出す。紙にはこれから2年間お世話になるゼミ。大学のホームページで発表されたときのページを印刷してきた。


なんでこんなことをしているかというと。これは女の子2人が決めたから。


「じゃ、発表があった次の日に。発表されたページ。自分のゼミのページ印刷してこようよ。みんなが第1希望で決まったらだけど」


ちなみにこの発起人は斎宮さんです。はい。そしてその提案に――。


「あっ、何かそれ面白そうだね。それまで秘密で、せーの。で紙見せあって、どこのゼミになったか話すって」


海織もなんか乗っかったため。男性陣に拒否権などなく。ゼミが決まった際の発表はこの形式となった。


「じゃ、せーの」


斎宮さんの合図で紙を出し合う4人。だったのだが……。


「—―え?」

「……うん?」

「ちょっと待って……」

「どういうことだ?」


俺と海織。斎宮さん。柊が出した紙は……。


――――全員同じ。


その時に俺が発表時にあった疑問が解けた。そうだ。柊の学生番号だ。よく柊が講義を休むときに変わりになんやかんやしていたから。よく柊の学生番号見たり紙に書いたりしていたから。その記憶が頭の中にあったようだ。ってマジか。全員同じ?


「これどういうこと?私藤井寺ゼミだよ?」

「私も……」

「俺も」

「同じく俺もなんですが……」


4人がそれぞれの紙を見てフリーズ。

そして……その後はなんか俺は自然と笑いがこみあげてきて――と思っていたら。斎宮さんもだったらしく。はじめに斎宮さんが笑い出して、それにつられた俺も笑い。結果。4人で大笑いした。「なんで4人とも同じところを選ぶんだよ。どんだけ仲良しなんだよ」みたいな感じで。


しばらく笑いあってから――。


「えっこれ。本当になの?楓君も藤井寺先生のゼミ?」

「まさかのそう。2年生の時に講義受けて、なんかいい先生だなー。って言うのと。まち歩き?の説明文にひかれて」

「あー。そうそう、私もだよ。2年の時の講義ほんわかしてて好きだったんだー」


海織と話していると斎宮さんが会話に入ってきた。


「斎宮さん一緒だったよね」

「そうそう、楓くんと一緒に受けてたよね。そういえば柊はなんで藤井寺ゼミにしたの?」

「え?あー、勘。どこがいいかなんてわからないからさ。紹介の資料あったじゃん?あれ裏向けてさ。3人選んでみて。何かこの先生ならいいかなー。って思って、そのまま決めた」

「柊。それは……うん。まあもう決まったから。うん。いいか」


柊の決め方は……どうなのだろうかと思った俺だが……もう決まったことなのでいいか。


「っか4人とも同じで、4人しかいない。ってすごいな」


柊が言い。改めてプリントを見る。確かにこのゼミは4人。そしてその4人がすでにここに集まっている。


「ホント。偶然って言うのか。なんていうのか。だね。全員すでにここで集まっているとは……」

「私はほっほっほー先生は人気なんだと思ったんだけどなー。違ったかー」


斎宮さんがそう言い。そういえば、と俺も思っていた。


「確かに。講義の時の感じだと。人気ありそうだったんだけどね。なんでだろう?」

「ちなみに他のところ見ていたら10人くらいが定員みたいだったから。俺たちの他には藤井寺先生のところは希望を出していなかったという事か」


俺と斎宮さんが話していると。柊が思い出したみたいに話し出した。そしてさらに何か思い出したらしく……。


「あー、そういえばさ。俺サークルで、藤井寺先生ところにしたって。先輩に行ったら。先輩にめっちゃ驚かれたな」

「なんで?」


俺が柊に聞くと。


「なんか、先輩たちは、おつかれ。みたいな感じでよ。何だったんだろう。って思ってたんだよ」

「もしかして。藤井寺先生めっちゃ厳しい先生だったりするのかな?」

「「それはない」」


柊の話を聞いて、海織が言った事に対して、本日2度目の俺と斎宮さんの声が重なった。いやいや、だって厳しい先生。とはあの時講義を受けていて全く思わなかったので、斎宮さんもその意見に賛同してくれた。


「先輩のあれ。なんだったんだろうな?」

「そこは柊が聞いとかないとー、役に立たないんだからー」


そんな感じで斎宮さんに背中をバンバンされている柊。こちらは――。


「楓君楓君」

「うん?」

「楓君。私が選んだの知ってたのかな?ニヤニヤ」

「全く知りません。1人で決めました。はい」

「ほんとかな?」

「それはこっちが聞きたい気もするのだけど……」

「えー」


そんな話をしているとお昼の時間は過ぎていき。とりあえず、3年生からのゼミは4人が一緒ということに。そんなことがあるとは思っても居なかったのだが……偶然とは怖い。


そして、3年生になったのだが……何故かゼミはしばらくお休み。先生が留守?らしく2か月ほど、他のゼミより開始が遅くなった俺たちのゼミ。藤井寺ゼミだった。


そして、現在に戻る。湯の山温泉駅に着いた俺たち4人はいつもの大学への道を話しながら歩いている。


「私。藤井寺先生見たことあるかな?」

「ふさふさしたおじいちゃんだよ」

「ふさふさ?」


斎宮さんがそんなことを言っているが。まあ正解かと。おじいちゃんで髪の毛ふさふさの先生で、ほっほっほー。が口癖なのか連呼しているイメージ。


「楓ー」

「うん?」

「卒論ってさ。どれくらい書くか知ってるか?」

「なんか……ちょっと調べてみたら……相当なページ?みたい」

「マジかー。書けるかな――ちなみに、書かなくても卒業は――」

「ないかと」

「だよなー」


男性陣はそんな話をしつつ。4人は今まではあまり来なかったゼミ棟?とか言うのだっけか。大きな講義室ではなく。10人程度が入れるくらいの教室がたくさんあるところに来ていた。この時間は3年生のゼミの時間のため。通路には同級生の人がざわざわと。柊は……何か建物に入ってすぐに知り合い?に捕まっていた。俺は……特にお知り合いが増えることなくここまで来てしまったので――。


「楓君。あっちみたいだよ」

「あ、うん」


いつもお隣に居てくれる海織に付いて行く。そして藤井寺ゼミの部屋に入っていく。まあまだ休み時間のため部屋の中には誰も居ない。部屋の中はコの字型に長机が3つ。後は黒板があるだけで――まあ、何だろう。入って見ての感想。高校とかにあった空き教室?みたいな感じだった。無駄なものがないシンプルな部屋だった。


「とりあえず座ってようか?」

「かな。柊たちは何か捕まってたし」


斎宮さんも柊と一緒に誰かと話していたので、俺は一緒に来た海織と、とりあえず席に座る。そして、何か新しい部屋は落ち着かないというか。変な感じがしたりしていた。

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