第110話 変化 ~楠駅15時53分発~
海織の実家から帰ってきた日。海織が多分何かをしてきた後。俺はカピバラにまたなっていました。海織と斎宮さんが帰らせてくれるわけもなく。というかなんかよくあること。という感じになりそうで怖いのだが……。
とりあえず海織家に泊まる。そして「お風呂どうぞー」と、女の子2人に言われ入ったら……不思議なことがありました。俺は確か持っていた着替えを準備したはずが。何故か着替えのところがカピバラになっていました。おかしいな。犯人はわかっているが。
結局その後しばらく女の子2人の写真撮影会になっていました。
あと忘れかけていたが――。
「あっ、そうだ。ちょっと遅くなっちゃったけど。楓君チョコ食べる?」
撮影会の途中で海織が言いだして。俺は海織からはガトーショコラ。そして斎宮さんからはチョコのスコーンをもらいました。
「夜に甘いもの食べるの悪いことしてるみたいだよね」
「うんうん、でも今日は良いんだよ」
「だよねー」
俺のお隣では女の子2人が夜に食べて良い理由を何とか作り。一緒に食べていました。って美味しい。この2人すごいな。
ということでチョコを2人からもらいました。はい。バレンタインはもう少し先ですが。先取ですかね?ホワイトデーちゃんと考えとかないと……。
あと、海織が終始—―「楓君食べさせてあげようか?ニヤニヤ」とか。斎宮さんが喜びそうな。ニヤニヤネタをどんどんしてくるので大変でした。はい。斎宮さんはスマホずっと構えてるし。
そしてその日は結構遅くまでなんやかんやと俺はいじめられました。海織、斎宮さん曰く「楓くんがカピバラになるとちょうどいい感じの抱き枕」らしい……お願いだから寝る時はゆっくりさせて……と俺がお願いすると「じゃ、飽きるまでもふもふしないとね」とか斎宮さんに言われ……大変でした。
俺……何してるんでしょうね。ホント。
そんなことがあったからか。翌日はお昼くらいに起きました。そして俺が起きると女の子2人に挟まれてました。ちょっと予想はしていたが……挟まないでください。はい。目が覚めたのに海織が起きてくれるまで全く動くことができず、、、。大変でした。
そして、その日のお昼過ぎに訪問者が。海織に出て。と頼まれたので出てみると……よく知っている人物が立っていた。
「……柊……どうしたんだ?」
「おっ。楓悪かった。沙夜引き取りに来た」
「えっと――ああ」
ドアの前に居たのは、なんか真面目になった?柊が居ました。髪の毛黒色だっけ?あれ?黒じゃなかったよね?斎宮さんも知らなかったみたいで、目が点でした。海織だけは……なんかニコニコしてました。犯人は海織みたいです。
そして、俺と斎宮さんが「何があった?」という感じで柊を見ていると。何故か柊は海織にペコペコして……突然柊は斎宮さんにもペコペコ謝って……そして斎宮さんを連れて帰っていきました。うん。あれ?あの2人って……なんか派手に揉めてなかったっけ?斎宮さんもなんか雰囲気の変わった柊に引っ張られるがままというか。きょとん。とした感じで帰っていきました。なんか柊は海織に弱みでも握られたのでしょうか。
ということで、斎宮さんがおかえりになりましたので……海織と2人になった部屋。
「海織」
「なにかな?」
「何をしたのでしょうか。多分昨日の夜だよね?」
「聞いちゃう?聞いちゃうのかな?」
「……えっ。なんか聞いたら俺の身が危なくなるとか。そういう事だったりするの?」
「かもしれないよ?」
「うそー……」
めっちゃ笑顔で海織が言ってくるが……これ――聞かない方が良いのかな?うん。多分聞かない方が良いみたい。
「……とりあえず、斎宮さんも帰ったし……俺もそろそろ家が心配なので帰っても大丈夫でしょうか?」
「そうだね。ごめんね。ずっと楓君振り回しちゃったね」
「……結構長く家に帰ってない気がする」
「じゃ、たまには1人でゆっくりしたいと思うから解放してあげます!あっ、これ楓君の家の鍵ね」
「……よかったです。普通に海織が持ってるのが怖いけど……」
「ふふふ。楽しかった?」
「いろいろあったけど……まあ楽しかった……かな」
「次はどんなプランにしようかなー」
「……普通でお願いします。普通で大丈夫です」
「普通だと、私が1人で楓君にくっついているだけだよ?ニヤニヤー」
少し海織とやり取りをした後。俺は久しぶりに自分の家へ。
海織に見送られて、楠駅15時53分の名古屋行き普通に乗り。近鉄四日市で乗り換える。当たり前のように乗っていた路線になんか久しぶりに乗る。近鉄四日市駅16時28分の湯の山温泉行き普通で伊勢川島駅へ。
17時前。久しぶりに。久しぶりに自分の家に入る。パッと見た感じ……出かけたときのまま……だと思う。昨日何かがあったかもしれないが、俺は知らない。うん。今のところ知らない。
しばらく留守にしたので、ちょっといろいろと荷物の片付けがいるが。とりあえず座って休憩。1人の時間を……って待て待て。
「……スマホ返してもらってない……」
翌日。海織が「スマホ返し忘れちゃった。てへ?あと留守にしたから楓君ところもお掃除しないとねー」とか言いながらやってきて、そのまま普通に居ました。はい。いつもの事です。
――――。
と、いうのが春休み後半でした。長かった。いろいろあって大変だった。そんな過去を思い出していたからか。大学3年生の生活はすでに2か月ほど経過している。
そういえば、3年になったら講義の数がガクッと減って休みが増えるとか思っていたが……確かに講義数は減りはしたが。そこまで休みオンパレード。みたいなことはなく結構普通に大学に来ている。
「楓君?どうしたの?またぼーっとしてるよ?」
「あっ、ごめん、ちょっと過去を」
「うん?あっ、なるほど、疲れているアピールして私にマッサージされたいんだー。うんうん。じゃん今日も楓君ところ泊まろうかなー」
「海織。今週自分の家帰った?」
「帰ったよ?2日も」
「……だね。うん。ごめん。聞いた俺が悪かった気がした」
「ふふふ。今日は煮込みハンバーグでも作ってあげようかなー」
お昼休み。いつものように海織といつものベンチで、今日は海織が朝から作ってくれたサンドイッチを食べています。3年生になってからは海織がうちに泊まる頻度がさらに増えたが。泊まった日のお昼はこうして手作りのお弁当などを作ってもらっている。感謝感謝。
「あー。イチャイチャしている夫婦がいるー」
「斎宮さん。声のボリューム……」
少し離れたところから今日も元気な声が聞こえてきました。斎宮さんは今日もご機嫌みたいです。
「うーん?おかしいなー。なんか。ボリュームとか聞こえた気がするけど……気のせいかな?夫婦が目の前に居るだけだからー!」
「……はぁ」
「沙夜ちゃんおつかれー。あっ。沙夜ちゃんもサンドイッチ食べる?」
「うん!食べる!食べる!あっ、柊。飲み物買ってきて」
「OKOK。すぐ買ってくる」
柊がダッシュで自販機か……あの向きは、売店かな?に走っていく。
「……柊。ホント変わったな」
「だよねー。わたしもびっくり。3日くらいで戻るかなー。って思ったら、もう2か月?3か月?あのままだよ。まあ私はいいけどねー!手下ができたみたいで」
俺の横でニコニコの斎宮さん。すごく楽しそうです。
「ははは……柊も大変」
「にしても、やっぱり海織ちゃんはすごいね。ホントなんて言ったの?ねえねえ」
「まあそこになるかと。ホント海織は、柊になんて言ったらああも変わったの?」
「ふふふ。普通の事を言っただけだよ?」
あの時以来。でわかるだろうか。春休み途中から柊が突然、、、。変わった。キャラが変わったというか。誰かにこっぴどく怒られたのではないだろうかと思うほど変わった、、、。
そして――それには海織が99%絡んでいるのはわかってるのだが……何があったかは未だに教えてもらっていない。柊も何があったか絶対言わないし。ちょくちょく俺と斎宮さんが聞くが……これは絶対言わないパターンかもしれない。とか俺は思っている。まあでもなんか平和と言えば平和になったので、これ以上聞く必要はないか。とかも思い出している。すると飲み物買ってきた柊がダッシュで戻って来た。
大学3年生始まってしばらく。なんかいい感じに平和な大学生活しています。
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