第100話 パーティー ~俺執事になる?~
お風呂では久しぶりの1人。ゆっくりした。シャワーを頭からかぶっている時が一番周りの音が聞こえなくて1人を感じた気がする。うん。水の音だけ。あれは良い。落ち着くのにとっても良かった。
そして風呂のあとは、寝るのかと思っていたが……どうやら違ったみたいだ。俺が風呂から出てくると……。
「あっ。来た来た」
部屋に戻ると海織にすぐ手を掴まれた。
「うん?」
「さあさあ楓くん。いい声で泣いてね?」
「うんん!?」
何だろう。すごく嫌な予感しかしない。海織と斎宮さんがニヤニヤしている――これは……何だろうか。
「楓君。今日もマッサージあるよ?」
「大丈夫です。疲れてません」
「よーし。楓くん確保ー。海織ちゃん楓くんに抱きつく許可を」
「許可します!」
「はい?」
と言っている間に斎宮さんに捕まりました。って、地味に斎宮さん捕まえる力強い。
「えっと……ナニコレ。って最近よく俺言っている気がする」
「まあまあ、沙夜ちゃんに伝授しないとだから」
とか言いながら寝かされた俺。数秒後には……。
「—―!!」
結局1時間ほど?もう少しだろうか。女の子2人に今日もマッサージという名のツボ押しされました。って、斎宮さんほぼ俺の背中や足に乗って遊んでましたよね?そして海織が的確にツボ?押して俺が悲鳴上げると。めっちゃ楽しそうに2人していたのですが。
「あらー。楽しそうなことしてるわー」
って途中で第3者?の声がした気がするが……気のせいだよね。うん。気のせい。気のせいのはず。
そんな感じに海織の実家での夜は終わったと思う。最近俺いじめられてます。はい。
――翌朝。
「……これは……どういうことだろうか。って昨日も言わなかったか?」
起き上がると。うん。今自分がいる場所はわかる。海織の実家、空き家の方。なんか昨日の朝もこんな感じだった気がするが……斎宮さんが隣で気持ちよさそうに寝て居る。って多分斎宮さんの布団は少し離れたところに2つ並んでいる方ですよね?どうして俺のところに居るのでしょうか。そして2つ並んでいる方は2つとも空。つまり……。
「海織は……どこ行った?」
「居るよ?」
「—―!?」
いきなり後ろから声がしたら誰でも驚くと思う。振り向くともう準備OKというのか。いつも通りの海織が居た。
「楓くん。驚きすぎだよ?」
「普通後ろから急に声かけられたら驚くよ。多分」
「にしても――いやいやこれは浮気現場ですか?ニヤニヤ」
「……」
うーん。なんていうんだろう。お友達の彼女さん。そういえば柊どうしているのだろうか。斎宮さんずっと俺たちと居ますが……ってそうじゃなくて。お友達の彼女さんと一緒に寝て居た俺は……何でしょうか?うん?
「って、海織なんかしたでしょ?」
「何もしてないよ?パシャパシャしたくらいだよ?」
「それダメなやつじゃない?ホント。パシャパシャって撮影だよね?」
「タイトルは――彼女の親友と寝た彼氏かな?」
「……早急に消しましょう」
「えー。まあ、昨日楓君が寝ちゃった後。一緒に寝ちゃおうか?って沙夜ちゃんと寝たからこうなってるんだけどね?」
笑顔でこの子は何を言っているのでしょうか。めっちゃ楽しそうに話してますが……。
「俺の知らないところで何してるのかな?って、俺はいつ寝たっけ……?」
「うん?えっと、楓君は楽しそうに喜んでてて――」
「俺の記憶的には悲鳴しかなかった気がするのですが……」
「まあまあ。で、一度楓くん解放してあげて。私たちが話している間にそのまま寝てったよ?」
「……そうかもしれない。記憶的には……悲鳴しか覚えてない」
「だから昨日も楓君は女の子2人に囲まれてたんだよ?ニヤニヤ。ママに写真頼んじゃったから」
「ちょっと待って?それは……どういうことかな?」
「まあまあ気にしない気にしない」
とかなんか朝から今日もいろいろありました。結局海織にはいつものように逃げられて。その間に斎宮さんも起きてきて……なんかうん。女の子2人になると俺絶対に勝てません。
そして、少しして朝ご飯の時には女の方が……3名に。そして3名からニヤニヤ見られていた気がするのは気のせいではないと思う。
確か俺がここに連れてこられたというか。付いてきたのは、斎宮さんと柊の事だったような……なんで今俺がいじめられているというか。遊ばれている状態になっているのだろうか。って聞いたところでこの場に居る3人の中で俺の話を聞いてくれそうな人は……居ないか。とほほ――。
ちなみにその後はお昼前くらいに4人で買い出しに行きました。スーパーに行く前にファミレス寄って。その後は近くのスーパーでお買い物。海織のパパさんがいないので荷物はすべて俺が運んでいました。スーパーでカートを俺が引いていて。両サイドから物がどんどん入ってくる。はい。肉やら野菜やら。いろいろ仕入れていました。3人はホント姉妹というのか。同年代というのか。楽しそうに会話して前を歩いています。って海織のママさんが最強ということはよくわかりました。そしてこの後夕方からはさらに大変そうです。はい。
その後買い物を終えて、海織の実家に帰ってきてからは――。
「楓君。荷物とりあえずこっちにお願い」
「了解」
「あっ。楓くん私の買った飲み物どこにあるかな?」
「えっと……小さいエコバック……だったかな?」
「えっと――あった。あった。ありがとー」
「彼氏君~。このペットボトル後で良いから裏口にお願い」
「はい。運んでおきます」
「楓君力持ちー。細い腕なのにねー」
そう言いながら俺にくっついてきた海織。
「海織荷物運ぶときはくっつくの危ないと思いますが――お2人ほどニヤニヤこちら見てますし……」
ちょっと離れたところというか。近くで斎宮さん。海織のママさんがニヤニヤしているのですが……ってスマホで写真撮らない。そこ。撮らない。斎宮さん!
ま、まあそんなことがありましたが――とりあえず普段の運動不足か。荷物やらを車から降ろして運んだら――疲れました。はい。
「はい。お茶だよ。楓君。疲れちゃった?」
休んでいると海織が飲み物を持ってやってきた。
「ありがと。いや、普段の運動不足かと」
「それは大変。今日の夜も揉めるかな?」
「大丈夫!元気になりました」
「えー。でも元気なら――じゃ。次はバーベキュー用のコンロ出してほしいって」
「……はい」
「疲れてくれないと。夜が楽しくないからね」
「海織……」
「うん?何かな?」
「なんでもないです……はい。元気に頑張ります」
「うんうん」
その後もいろいろ準備頑張りました。そして、暗くなってきた頃から。斎宮さんの誕生日。海織の実家にて。とでもいうのか。誕生日のパーティーが始まりました。
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