第99話 海織の実家 ~女子会?~
海織の実家に来てから1時間ほどが経過。空き家の方では――。
楽しい話声が響いています。ホント同級生?の女の子が集まって、キャッキャ話しているという感じです。はい。
「あらー、じゃ沙夜ちゃんは明日。誕生日なのね」
そして普通に、ホント普通に居る海織のママさん。
「そうなんです。なのに馬鹿がいまして。海織ちゃんの提案でお邪魔してます」
「あらあらー。なら明日はみんなでクリスマスパーティしましょうか」
「あっ、いいねいいね。予定もないからちょうどいいね」
「いいの?やったー!」
「美味しいワインがあるからそれ開けようかしら」
「ママー。パパに怒られない?」
「大丈夫よ。2週間くらいは帰ってこれないって言ってたから。それより海織がいつもお世話になっているんだから。4人でパーッとやりましょう」
「いぇーい!」
俺が会話に入ることなく。一応俺は海織の横には居ました。居るのは居ました。で、3名様のお話で明日は斎宮さんの誕生日のお祝いをすることが決まりました。先ほどから会話には入れないが同じ空間に入るので座って居る俺。なんか正座してたから足がしびれてきました。
「パーティなら……やっぱりお肉よね。明日はここで焼き肉パーティしましょうか?」
「お肉!」
海織ママさんの提案に、斎宮さんがさっきから子供みたいにキラッキラしています。そういえば……柊。どうしてるのかな。俺のスマホ行方不明だから――どうなっているかがわからないのですが……。
「楓君?」
すると不意にお隣から声がかかった。
「う、うん?何海織」
「楓君が静かだなー。って」
「いや、なんかね。俺の入る会話じゃないような……うん」
「じゃ、今からは楓君のお話しようか?」
「ご遠慮します」
「あらー。私聞きたいわー」
「みたいだよ?ママは」
「私も!」
「沙夜ちゃんもだって」
「丁寧にお断りします。心がやられそうです」
「あらー。普段の娘とのイチャイチャが聞きたいのに」
「……なんか海織のママさん。お酒入ってないのに――テンション高め?」
――小声で海織に聞いてみると。
「楓君。もしかして狙われてるかもね?」
「……ないない」
「にひひー」
「なに、その笑い。っか宮町さん。一体どこまで話してあるのでしょうか……」
「もちろん。楓君は結婚相手だよ?って」
「……」
どうしよう。驚かない自分が怖い。海織ならなんかそんな感じに説明とか。ちょっと予想していた俺が怖いというか……海織色に染まっている自分がいる気がする。海織はちょっとだけ顔が赤い気がするが、まあいつも通りという感じで。俺の方を見て悪い顔をしています。
すると、俺と海織るの前では――。
「ママさんママさん。イチャイチャしてますね」
「写真撮りましょうか」
「いいですね。ってもう撮りました!」
「あらー、沙夜ちゃん。後で連絡先教えてもらえるかしら?」
「もちろんです」
「ところで普段からあんな感じなの?2人は」
「お出かけから帰ってきてからさらに近くなりましたね。って付き合ったばかりですから。まあ前からラブラブでしたよ?」
「うんうん。沙夜ちゃん。あとでいっぱい教えてね?」
「はい!」
そろそろ、お2人を止めた方がいい気がしてきた。
「あの、お2人さん」
「「はい?」」
――同じ反応をする海織のママさんと斎宮さん。何だろう……このすぐ仲良くなっちゃう感じ。怖い。
「丸聞こえですが――」
「わざとだよー。ねー。ママさん」
「そうそう。海織なんてデレデレしちゃってー」
「でしょ。楓君と居ると楽しいからね」
って海織。恥ずかしいとかそういうのはないのか普通に答えてらっしゃる。やっぱり俺だけ――蚊帳の外?いや……巻き込まれているというのか……とりあえず、居る場所は間違っているのは間違いない。
「あら、もうこんな時間。みんなお風呂の準備してあるから入っちゃって」
「ありがとうございます」
斎宮さんが言った後、海織母が――。
「あら、もしかして海織と彼氏君は一緒に入るかしら?」
「入りません」
「えー。入らないの?」
返してきたのは……母ではなく子だった。
「なんで海織が言う!?」
「ニヤニヤー」
「ちょっと、最近ニヤニヤ多くないですかね?」
「楽しいもん!」
「はぁ……」
「沙夜ちゃん。あの2人熱いわねー」
「やけどしますね。ほっておいて、私は先にこちらのお風呂借ります」
「そうしちゃいなさい。私も入ってこようかしらー」
海織母と斎宮さんがそれぞれ消えていき……。
先ほどまでにぎやかだった部屋は、俺と海織だけになった。ちょっと斎宮さんが風呂場に入ったからか水の音は少し聞こえるが静か。
「静かになったね」
先に口を開いたのは海織だった。
「なんか俺。やっぱりいる場所がおかしい気がするのだけれども」
「でも帰らさないよ?ニヤニヤ」
俺のお隣さん怖いです。楽しそうに笑顔で腕掴んできているし。
「逃げないから……うん」
「うんうん。さすが楓君。で、一緒にお風呂入りたいのかな?」
「大丈夫です。お願いですから。休息もください」
「なるほどなるほど楓君の休息はお風呂っと。まあ大浴場、温泉好きの楓くんだからね。ってことは、楓君を追い詰めるに。お風呂に突撃訪問かな?」
「海織」
「なに?」
「それだけはやめて」
「えー。楽しそうだけど」
「ホント、お願い。はっきり言っておかないと海織やりそうだから」
「やってほしいの?」
「だ・か・ら!」
「ふふふ。大丈夫。楓君が泣いちゃうからねー」
「ははは……心配。あっ、そういえば」
「うん?」
「俺のスマホはどちらに」
「あー。そうだね」
海織は立ち上がり自分のカバンのところに。そして海織のカバンから出てくる俺のスマホ。どうしてでしょうか。まあ海織が俺の手から持って行ったからだが。
「はい。ごめんね。ずっと持ってて」
「まあ、柊くらいしか連絡は来てないと思うけど」
「うん。で、また勝手に返事しちゃった」
「—―えっ?」
メッセージを確認する。
「楓ー、沙夜知らない?全然電話出ないんだよ。部屋にもいないし」
確かこのメッセージが海織の家を出る時に来たメッセージで海織が俺からスマホを持ってい言った時。その後に何回か会話は続いていた。
「いや、知らないけど?ってまた怒ってるんじゃない?斎宮さん」
これは俺の知らない返事。ってか。海織。俺の振りがうまいというか。慣れているというか。確かにあのメッセージなら俺こうやって返していたかも。
その後もメッセージはあった。
「まあ大丈夫大丈夫。少ししたらいつもみたいに戻るからさ」
「ちゃんと説明しとかないと。大変な事にならないか?」
「その時は楓。また何とかしといてくれ」
「また連れて行かれるとか言うのは勘弁で」
そんな感じに続いて終わっていた。
「海織」
「うん?」
「まあ、なんか俺の思っていた感じの返事だから文句は言わないけど」
「でしょでしょ。絶対楓君はこんな感じに返すと思ったよ」
「ところで……なんで俺のスマホの指紋認証ロックが外せるのかな?」
「—―—―てへ?」
うん。笑顔だから許す――ってのはダメなような――と俺は思いつつ。
「てへ?じゃないの。いつ登録した?って俺ももうやり方忘れてるのに」
「大丈夫だよ。変なアプリとか。支払いとかしてないから」
「してたらホントに怒るから」
「楓君に怒られちゃった……」
しょぼんとする海織っていやいや怒ってないのですが。結構ガチで落ち込んだ?
「えっと、怒ってませんよ?うん」
「だよねー!」
笑顔にすぐなる海織。演技がうまいというのか。俺が遊ばれているというのか。
「……海織。デコピンくらいしていい?」
「できるのかな?」
ニヤニヤこちらを見る海織。
「……そのうち」
「へー。それは楽しみ楽しみ」
「—―なんかおかしい気がする……」
――すると。
「お風呂こっちは空いたわよー」
海織のママさんの声がした。
「海織。先にどうぞ」
「一緒に入っても良いんだよ?」
「……また戻った」
「えへへー。じゃ、お先に。あっ後でまたスマホ預かるからねー」
「なんで!?」
「ふふふ」
「ちょっとー」
と、なんか散々海織に遊ばれて……とりあえずやっと1人になった――1人って。落ち着く。と思っていたら。
「お風呂空いたよー!」
今度は斎宮さんが部屋に戻って来た。って斎宮さんなんかいろいろ薄着で来たけど。ってバスタオルだけじゃないよね?お願い。俺男の子。ちゃんと服着てから来て。斎宮さん。と、なるべく斎宮さんを見ないように交代で俺が風呂場に入る。
ホントなかなか1人にはここではなれそうにもないと思っている俺だった。
っかいつまでここに俺は居ることになるのだろうか……。
――――。
「おーい。楓?おーい。メッセージ見てるか?」
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