第66話 波乱の始まり? ~21時15分発津新町行き普通~

「沙夜ちゃんー。待って待って。って……楓君?あっ、白塚君も」


と、俺が斎宮さんの声の方を向くと、斎宮さん。さらに、後ろから小走りでこちらに来ていた宮町さんの姿があった。そして、斎宮さんの横に宮町さんも到着で、いつもの4人揃いました。何故かこんなところで。


「何してるんだ?沙夜に……宮町さんも居るし」

「な、なんでもいいじゃん。甘いもの食べに来たの」

「また、太るぞ」

「柊、さっそく揉めない揉めない」

「ま、またとか、太ってないし。むー」


と、俺が言ったが――どうやら、斎宮さん、すでにお怒りの様子、すると、俺の隣には。


「楓君どうしたの?白塚君とご飯?」

と、宮町さんが話しかけてきた。

「あ、うん、誘われて、たまには、って、で、そこのハンバーガーのお店にいた」

「あっ、偶然だね、私と沙夜ちゃんは隣の喫茶店」

「……結構近くに居たんだね」

「だね。まあ、一緒だと――今みたいに、2人が揉めたかもだけど……」

「もう揉めてない?」

「だね――どうしようか」


ちなみに俺と宮町さんの横では、


「太る言った!」

「いや、いっもパクパク食ってるガキだからな。沙夜は」


と、多分柊は、いつもの流れで言っているんだと思うのだが……斎宮さんは……。


「ガ、ガキまで言った!もう、ほら、海織ちゃんどう思う!?これだよこれ」

「沙夜ちゃん、声、声。ここ外」

「だってー!」


――うん。にぎやかです。っか、目立つので、斎宮さん声のボリュームを本当に落としてください。はい。


「な、楓。ガキだろ」

「いや、まあとりあえず、柊。あまり斎宮さんいじめない方が」


と、まあ、柊は、普通に楽しんでいるというか。やっぱりそれが柊の普通の接し方だったらしいが……すると、そこで、宮町さんが。


「あ、そうそう。白塚君。沙夜ちゃんがね、どこかデート連れてって、欲しいみたいだよ?」

「な、ちょ、海織ちゃん。今言う?」

「うん、楽しそうにしている今だからね。あ、じゃ私たちは、お邪魔だから。撤収しようか?」

「えっ?俺も?」

「そう。はい。楓君を回収しまーす」


と、俺、宮町さんに引っ張られていく。

いいのだろうか。あの2人を置いていって――。


それから、俺と、宮町さんは、帰るとかではなく。近くのお店にいた。理由「私、紅茶とシフォンケーキしか食べてないから、お腹空いちゃった」と、いう宮町さんに連れられてきた。それだけ。


「ところで宮町さん」

「なに?」

「あの2人。あのままで良かったの?」

「大丈夫だと思うよ?いつものようにそのうち、仲良くしてると思うから」

「うーん。なんか嫌な予感が……」

「どうして?」

「いや、ちょうどなんだけど、さっき柊と話している時に。って、まあ、言っていいのかわからないけど、宮町さんなら大丈夫かな?さっき、柊と話してたのは、斎宮さんのことでして……」

「うん?沙夜ちゃん?あれ、私も白塚君の愚痴を聞いてたんだけど……」

「ちなみに、こちらも、ですが――最近暴力が多いやら……まあ、原因は柊だと。聞いてって思ったけど、ほとんど……」

「まさかの2人が、同じタイミングで、話してたんだね」

「ほんと、まあ、柊は、たまたまご飯食べに行ったら、その話になったって気もするけど……」

「でも、白塚君と、どこか行くっていうのが。ちゃんと決まればいい感じになると思うよ?」

「大丈夫かな……偶然だけど、話の中で、柊、高いところのアトラクションでも乗せればいい。とか言ってたから……この前の山の様子だと。斎宮さんブチ切れるか。なんかすごいことが起こりそうな気がするけど……」

「う、うーん――どうだろう……大丈夫かな?沙夜ちゃんも、白塚君が絶叫系のアトラクションのある遊園地とか、選んで来たら、速攻で張り倒すとか、言ってた気がするような……」


ちょっと、宮町さんの表情も怪しい感じに……あれ?これ、嵐が起こるのでは?と、関係ないと言えば関係ない2人がほかの2人のことについてお店でしばらく悩んでいました。


宮町さんと少し話した結果は「ま、まあ、多分大丈夫だよ」ということになったのだが。わからない。あの2人があの後どうしたのかも、俺たちは知らないので。


ちなみに、お店を出てからは、まさか、だとは思うが。まだ、偶然会ったハンバーガーのお店の前で2人が何か言い合っていることは……無いとは思ったが「一応、、見ておこうか?」と、宮町さんも言っていたので。2人で、駅とは逆だが。ハンバーガーのお店の前を経由してから駅に行くことに。


まあ、2人は居なかった。多分大丈夫のはず。


「明日、2人。いや、斎宮さんが荒れていないことを祈るよ――多分柊は荒れない気がするけど」

「だね。多分何かあったら、沙夜ちゃんの方が不機嫌になっているかもね」

「ちなみに、宮町さん」

「うん?あの、改札抜けたら、別方向なので、そろそろ、腕にくっつくの終わりませんか?」

「まあまあ、せっかくだから、お見送り欲しいなー?」

「……やっぱり。宮町さんはグイグイだと思う」

「うん?なになに?」

「なんでもないです。こちらのことです……じゃあ、ホームまで――」

「うん。さすが。楓君は優しい」


それから宮町さん運ぶというのか。大阪方面のホームまで、一緒に行き。ちょうど、21時15分発の津新町行き普通が止まっていたので、そこで宮町さんと別れた。


「ありがとう。おやすみー。楓君」

「うん、気を付けて」

「はーい」


ちょっと、無駄道というか。俺の乗る湯の山線ホームまでは遠回りした形になったので、まあ、それが原因ではないと……いや、原因か。多分遠回りしなければ、普通に乗れていたであろう。21時16分発の湯の山温泉行きの普通があったのだが。大阪線ホームから移動中に……電車が発車してしまったので――21時42分まで1人四日市駅で待機となりました。

まあ、こういう日もありか。と、ぼーっと、駅のホームで待っていました。


それから数日後。

特に、柊、斎宮さんは何もなかったのか。そのまま丸くいつものように収まったのか。揉め事は聞かれず。さらに数日後、宮町さんから「前期試験が終わったら。白塚君が沙夜ちゃんをどこか連れてってくれるんだって。沙夜ちゃんが言ってた」ということを聞いた。


なにかありそうな気がしていたが……特に何も起こらなかった様子。あの2人—―やっぱりいい組み合わせなのかな?と、思いつつ。宮町さんとともに、前期試験のために、大学向かってます。


はい。今から試験です……3回目?か。でも……試験は慣れないです。はい。心配。いろいろと。なんか、2年生はいろいろあるからか、時間の流れが速いように感じます。はい。試験期間早く終わらないかなーとか思いつつ。講義室へと向かっています。

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