第33話 お祭り ~11時10分発大学祭~
――大学祭当日。
朝は、曇っていて、結構涼しい感じだったが。駅に着いた頃には、日差しが出てきて、ちょうどいい気候になった。
伊勢川島駅11時10分の電車乗り。いつものように……なのか。宮町さんと車内で、合流。
11時21分菰野駅で、斎宮さんと合流。そして、湯の山温泉駅。大学最寄り駅に、11時28分に到着した。柊は朝から行っているというか。前日から準備とか言ってたか。かなり楽しんでいる感じだった。
うちの大学は、大学祭の時は、一般の人も入れるみたいで、駅に着くと、大学方面へ行く道は、普段は、あまり見ない子連れの親子とか、中学生?小学生くらいの人たちも行き来している。
大学祭が始まってから、1時間?ほどしか経っていないが、なかなかの人が来ているように感じる。
「よし、柊。探しに行こうか。なんか食べ物売ってるとか言ってたから、何か食べれそうだし」
「だね。楓君、行こう」
「あ、うん、行こうか」
また、今、気が付いた。話が出たときに、気が付いてもいいのに。俺、学習しないな。
これ、もしかして、この流れ。今日、宮町さん斎宮さんとともに行動になるのでは……と。まあ、結果はその通りなので、先に言っておく。
駅から大学内に入っていくと、高校も何かしているのか、看板出ていた。そっちも何をしているのか、少し気にもなったが。まずは、柊探しへ。
大学内、ホント、人多かった。ちょっとなめていた。こんなに人集まるものなのか。ライブやらは、前売り券ないと入れないみたいだが。そのほかは、ステージとかで、しているため。そのあたりに人が集まり。近くにある模擬店はなかなかの人。というかこの中から、柊探すのか?本人に聞いたが「俺、設置場所ちゃんと知らないんだよな。でも、まあ、すぐ見つかるよ。突然大学の敷地が大きくなるわけでもないし」とか、昨日は言ってたが。
ちなみに――。
「チョコバナナ売ってた!」
大学の敷地に入って……数分だろうか。斎宮さんは、食べ物ゲットしていた。人が多い為、少しメイン通路から離れて、食べている。俺と宮町さんも一緒に食している斎宮さんの隣で一時待機。
「すごい人だね」
「うん、びっくり」
「チョコバナナ美味しいよ。海織ちゃん食べる?」
「あ、一口もらおうかな」
お隣は楽しそうです。
「楓くんも食べる?」
「あ、大丈夫です。はい」
「えー。恥ずかしがらなくていいよ?私じゃなくて、海織ちゃんがかじってるから」
「ちょっと、沙夜ちゃん」
「嘘嘘。楓くん、もうちょっと待ってね。食べちゃうから」
「ゆっくりでいいよ」
「ありがとー」
斎宮さんのお食事終了後—―また歩き出す。
人は多い。これは居るだけで疲れそう。という感じだった。
「あ、海織ちゃん、見て見て、これかわいい」
「あ、ホントだ、楓君ちょっと見てもいい?」
「いいよ。俺もこのあたり見ているから」
「ごめんね、ありがと」
柊を探していたはずだが、女の子2人。なかなか前に進まない。まあ、いいのだが。せっかくのお祭りだから。でも、この辺に柊もいるんじゃないか。と、いろいろお店が出ているところだし。食べ物の看板もいくつかあるし。と、ちょっと周りを見ていると。
「お、楓―、こっちこっち」
フランクフルトや、飲み物売っているところで、柊が手を振っていた。いやいや、というか、今いるところの隣じゃん……気が付かなかった。
2人はまだ、隣の店でアクセサリー?キーホルダーを見ているので、宮町さんに一声かけてから移動した。
「おつかれ」
「すごい人だな、予想以上だ」
「だな、歩いてくるだけで疲れた」
「あれ?沙夜と、宮町さんは?さっき一緒だっただろ?」
「隣の店見てる」
「えっ?あっ……本当だ」
「って、さっき?」
「あー、だって、楓たち目立つから」
「マジ?」
「沙夜と宮町さんいたらわかるからな。さっきチョコバナナ食べてただろ?ちょうどここから真正面だから見えてた」
「目の良いことで」
「だろ。で、楓フランクフルトいかが?」
「もらおうかな。俺は、まだ何も食べてないから」
「まいど。フランクフルト1つ入りましたー」
「じゃ、柊。私飲み物ちょうだい」
そこで斎宮さんが入って来た。後ろには宮町さんもいる。なにか、買ったみたいで、2人とも小さな袋を持っている。
「はいよ。どれにする?」
「えっとねー。お茶ある?」
柊のお店で、フランクフルトと飲み物買い。その隣に、クレープ屋があったので。宮町さんが買っていた。さすがにこの場では、人も多く、食べれない感じだったので。「じゃ、いつものベンチ行こうよ」と、言った、斎宮さんの後を追った。
何もしてないからなのか。いつものお昼の場所。ベンチのあるところは人がまばらでベンチも空いていた。
「海織ちゃん、海織ちゃん。一口だめ?」
「いいよ。はい」
「ありがとー。にしても、大学祭こんなに人来るんだね」
「ほんと、多いよね。でも、楽しい」
「うんうん。お祭りって、感じだね」
それから、少しして、斎宮さんがお手洗いに席を立った。のだが、それと同時くらいから……。
「……」
「……えっと」
なんか視線を横から感じる。まあ、隣にいるのは宮町さん1人なのだが。
「……じー」
ついに、音声付になった。うん。声に出ています。
「宮町さん……もしかして、フランクフルト食べたかった?」
「お、よくわかりました。私なにも言ってないのにー」
「いや、これだけ見られてたら、買ってこようか?」
「まだ……残ってるよね?」
あ……はい。まだ一口分ほど、俺の買ったフランクフルトは残ってます。が、どうしろと?と、思っていると
「一口だめ?楓君が食べてるの見てたら、食べたくなった。美味しそうだから」
「まあ――俺はいいけど」
「いいの?やった」
フランクフルトの皿を、宮町さんへ。俺の食べかけだが、いいのだろうか。あ、普通に、宮町さん食べました。
「うん。美味しい。フランクフルトは、粒マスタードが、合うよね。ケチャップだけでも美味しいけど、粒マスタードあると、さらに、美味しい」
「あ、うん。ちょうど、いいアクセントみたいな感じになるよね」
「そうそう、ごちそうさま。あ、ごみ捨ててくるよ」
「あ、なんかごめん」
「いいよいいよ、一口もらったからね」
宮町さんがごみ持って席を立つ。宮町さんは、誰かと、食べるとか、あまり気にしないのかな。斎宮さんとも食べあいしてたし。と、思っていると、入れ替わりで、斎宮さんが戻って来た。
「ただいまー、なんか、いい現場。見た気がするー」
「え?なに?」
「うんん。なんでもないよーなんでも」
それから、なんか斎宮さんニコニコ?ニヤニヤ?しつつ。それからは、せっかく来たからと、パンフレットもらって、3人で、一通り見てまわった。
大道芸とかもしていて、それを見ているのは楽しかった。というか、すごくて、3人とも、見入っていた。進行係の説明で聞いたが、大学に入ってから、始めた人が今のグループは、多いらしい。見てる側としては、どの人も、かなり上手かったと思うのだが。あれで初めて数か月なのだろうか……すごい。と、確かに、大学の帰りとか、よく広場とかで練習しているのを結構見たが。継続力というのか、すごいな。
それからは、ちょっと飲み物休憩しようか。という話になり。もう一度、柊のいる店に行った。そういえば……ここは、なんのサークルなんだろうか。ずっと気になっているが。わからない。で、聞いてみたら。
「あ、ここは知り合いの先輩に頼まれて、手伝い」
「マジか」
改めて柊の友好関係?というのかな?広さにびっくりしました。
ちなみに、「私も、柊が何のサークル入ってるか、知らないんだけど。なんか、ご飯とか食べに行く。とかいう時に、付いていくけど。なんかいろいろなところ顔出してるよね?柊」と、斎宮さんが言った時が、一番驚きました。斎宮さんは知っているものだと思っていた。柊は「秘密があるのがいいんだろ」とか言ってたが。で、結局何に入ってるんだよ。一時期、俺入れようと頑張ってなかったか?何ともいわず。が、これは関わると大変そうなので、関わらないことに。と、その時隣の宮町さんの様子に気が付いた。
「宮町さん大丈夫?寒そうにしてるけど」
「あ、うん。大丈夫。ちょっと、涼しくなってきたからね」
「あ、確かに、昼間は暖かかったけどね。夕方になると急にだよね」
「楓君は、最後までいるの?」
「あー、どうしよう」
夕方になり、少し風も出てきた。大学祭は、18時くらいまでは、いろいろとしているみたいだが。
「私は、みんなに合わせるよ。予定もないし。居るなら一緒に楽しみたいから」
「最後の閉会式までいてもいいけど……斎宮さんはどうする?」
「あー、どうしようかな。確かにちょっと寒くなって来たからなー。それにメインのステージは、もうすぐ終わりだよね?あー、柊は、ここ終わっても、片付けでしょ?」
「もち」
「それには、巻き込まれたくないし。私も、ちょっと寒くなって来たからなー」
見るところは、ほとんど見た。このまま、ぶらぶら閉会式見て、帰るもありだが。
ちょっと、風も出てきたからか。予想していた以上に。寒いのだ。昼間は、いい感じの過ごしやすい気温だったが、急に冷えてきた。
ちなみに、今日の女の子2人。おしゃれ重視なのか。暖かそうな服装は、してない。斎宮さんに関しては、スカートだし。多分、宮町さんも、手をすり合わせているから。寒いのだろう。
「3人とも寒がり?」
「いや、柊は火の近くに居るからだと思う」
「うん、私も、なんか柊のところ暖かそうだし。美味しそうだし」
「1本買うか?」
「今日は、食べすぎたから」
「こりゃ、太るな」
「あー、NGワード言った。もう。バカー!知らないもんねー、柊なんか」
「あ、沙夜ちゃん?ちょっと、どこ行くの、沙夜ちゃん」
スタスタと、斎宮さんが歩いていく。いや、そっち駅じゃないけど――どこ行くの?斎宮さん?であった。
「沙夜ちゃん、待ってよ」
宮町さんが追いかけていく。
「柊謝ることをお勧めするよ」
「大丈夫だろ、いつも言ってるから」
「……斎宮さんかわいそうに」
「楓、もう1本いっとく?」
「まあ、遠慮しておくよ。俺もなんやかんや食ったし。いろいろ思い出すから」
「うん?なんだそれ」
それから、少しして、斎宮さんと、宮町さんが、戻って来たというか。完全に、斎宮、の方向を間違ったらしく。また、柊に、馬鹿にされて。で、
「楓くんも帰るの!満喫したから。次はご飯食べに行こう!」
「……はい」
「楓ー。うるさいやつ頼んだー」
後ろから柊の声がすると、また斎宮さんが怒ってましたが……まあ喧嘩するほど仲がいいなのか――。
それから、3人で四日市まで出て、ご飯食べることに。暖かい鍋料理の店に入り。ずっと、斎宮さんの愚痴を宮町さんと聞いてました。
「じゃ、2人とも気を付けて」
「うん、おやすみ楓君」
「ごめんね。楓くん、巻き込んで」
「いや、美味しい鍋にありつけたから」
四日市駅で、宮町さん、斎宮さんと別れた。本来は、斎宮さんとは、同じはずだが。女の子2人は、一緒に大阪、伊勢方面のホームへと、歩いて行った。
「今日は、海織ちゃんところに泊まって。柊に、帰ってこないどっきりしてやる」
「うちは、いいけど」
少し前の女の子の会話。
斎宮さんが、宮町さんのところに泊まることに、なったため。俺は1人。四日市駅。21時47分の普通電車で帰りました。っか、四日市で、電車乗るときは、鍋食べて、ポカポカになり。寒さを、忘れてたが。川島駅着いた時、めっちゃ寒かったです。
明日から服装注意しないとな。風邪ひくよ。これ……もうすぐ、冬かな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます