case5

 「おーい!!どこにいるんだ??おーい!!」


俺はその滝に向かう砂利道で大きな声で叫んだ。観光スポットの割には夜になると街灯はやたら少なく、本当に暗い道でね。ぼんやりと照らしだされた砂利道が見えるだけなんだよ。しばらくすると滝の流れる音が聞こえてきたんだ。


 「おーーい!!Y本!!そこにいるのかぁ!!返事しろ!!」


そいつの名前を呼びながら滝のほうへと進んでいくと薄暗い中、滝の流れる水のほとりの側に赤色の祠が見えたんだ。結構広い滝でね。上の辺りは木々で茂ってて、完全にそこから先は自然が残ってる山だった。


 「Y本!!!いい加減にしろよ!!!出てこい!!」


深夜遅くにこんな不気味な場所を見たいなんて言い出した挙句、急に意味不明な事を言い出し、滝のほうへ消えた友人に俺はだんだん腹が立ってつい怒鳴りながら叫んだんだよ。そしたらさ、滝の向こう側のほうから声がしたんだ。女の声で・・

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