お友達! 最高!

渋谷かな

第1話 私はみんなとお友達になりたい!

「私はみんなとお友達になりたい!」

 友里は純粋な少女でした。

「誰とでも、どんな時でもお友達になりたい! だってお友達が増えると楽しいもん! 世の中から争いも無くなるんだよ!」

 両親の愛情を受けて真っ直ぐに育った友里は他人を疑うことを知りません。

「友里は良い子ね。」

「さすが私たちの自慢の娘ね。」

「やったー! 褒められた! アハッ!」

 友里の両親は親バカであった。この教育方針が今後の友里の人生を大きく左右する。


「今日から高校生! お友達をいっぱい作るぞ! アハッ!」

 友里は16才の女子高生になりました。

「友里、私たちのカバンを教室に運んでおいて。」

 高校にはヤンキーもいました。

「ええー!? どうして私があなたたちのカバンを運ばないといけないのよ!?」

「私たちはお友達だろ?」

「そ、そうね! 私たちはお友達よ! 分かった! カバンを運んでおくね!」

 友里はヤンキーたちのカバンを汗をかきながら担いで運ぶ。

「アホだろ・・・・・・。」

 いじめられていてもお友達だと言われるとカバンを運ぶのを断れない友里。


「友里! 好きだ! 俺と付き合ってくれ!」

 カワイイ友里は男子生徒にモテモテ。

「ごめんなさい。」

 しかし全ての告白を断る友里。

「どうして!? 俺のことが嫌いなのか!?」

「私、お友達のことしか考えられないの。」

 友里はお友達至上主義者。恋人はノーサンキュウであった。

「はあ?」

 当然、男子生徒には理解できない友里の世界感。


「今日もお友達をいっぱい作るぞ! アハッ!」

 友里の快進撃はつづく。

 つづく。

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