月光少女

東雲才

第1話

僕の住む街は月や星がとても綺麗に見える。

今日も天体観測に行こうと、裏山へと出かけた。夜になると、そこにはほとんど人が入らないので、そこにいる時はまるでこの世界には自分一人しかいないんじゃないかという気持ちになれる。

けれど、今日は一人じゃなかった。

裏山に行くと同い年くらいの女の子が地面に寝そべりながら星を眺めていた。

何故こんな場所に女の子が一人でここにいるのだろうと思ってその子を遠くから見ていると、その女の子の体が、まるで空の星を映してるように輝いていた。

宇宙のような深い青色で、星のように散りばめられた光がその子の体を覆っていたのだった。

その様子があまりにも綺麗で呆然とその子を見ていると、女の子は僕の方に振り向いた。

目が合うのが恥ずかしくて、僕はすぐに目線を逸らし、わざわざ用意してきた望遠鏡を片付けて帰宅してしまった。



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