短編小説新人賞(副題:良質な教材)

※創作のネタではありません



 第211回の作品を今日(2020年11月2日)の時点で募集しています。

 過去の受賞作はもちろん、座談会形式の選評も、ネット上で読むことができます。

 この選評が、とても、勉強になります。


 受賞作品を読んで、選評を読むと、編集者の方と意見を共有しているような気分が味わえます。

 たしかにあの表現は素晴らしいとおもったけど、回りくどい表現もあって正直わかりづらかった、とかです。

 そうやって、私の感覚は編集者の方と合っているなんて思って、商業出版の夢をみるわけです。


 私の夢――というより妄想――はどうでもいいですが、この選評、作品の課題点を挙げている場合が多いように思います。(私は数作品しか読んでいないので、言い切れません)

 そうして、完璧な作品を書かなくてもいいんだ、なんて至極失礼なことを思い、創作に対する気が緩んだりします。

 でも、納得のいく作品ではないからといって破り捨てるよりも、気を張らずにとりあえず応募してみて、また後で書き直してみるくらいの、ゆるゆるな精神状態の方がむしろいいのかもしれません。

(ものすごい自信があったのに落選する方がつらいので期待値を下げておく、と言い換えられなくもない)


 ここで、太宰治の『葉』より、一文を引用したいと思います。

“「よもやそんなことはあるまい、あるまいけれど、な、わしの銅像をたてるとき、右の足を半歩だけ前へだし、ゆったりとそりみにして、左の手はチョッキの中へ、右の手は書き損じの原稿をにぎりつぶし、そうして首をつけぬこと。いやいや、なんの意味もない。雀の糞を鼻のあたまに浴びるなど、わしはいやなのだ。そうして台石には、こう刻んでおくれ。ここに男がいる。生れて、死んだ。一生を、書き損じの原稿を破ることに使った」”


抜粋:

太宰治

 

 

 ご存じの方も多いと思いますが、今回は、短編小説新人賞の紹介でした。

 短編小説新人賞、でググれば該当するサイトがすぐに見つかると思います。

(以前は、三浦しをんさんの小説の書き方講座が無料で読めましたが、今は、書籍化されてしまいました)

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