12話 太陽を生む

太陽を生む




後ろで銃声、マズイ! と思ったのもつかの間、私に覆いかぶさってきたのは、さっきの学者風の男だった。


「……く……そ、後……もう……少し、で、殺せたのに」


そのまま息絶えた、男はナイフを持っているし、私を殺そうとしていた? という事は?


「久礼助けてくれたみたいね。ありがとう」


「どういたしまして、じゃあ、そこの女性を助けようか」


「ええ」


培養槽を二つ破壊して、紀光っぽい人と、太陽っぽい女性を助け出した。


「た、たすかったよ、君は……あれ、アクセスできない? つまり衛星が、美菜が落ちたのかな。とりあえずありがとう。君たち。あたしは弥生だ」


「どういたしまして、私は、黄井 式よ」


「私は、黄井 久礼」


「そうか、お前たちが我が子らを殺した敵か」


あれ、助けたもう一人が、恨むような言葉を言っているわよ。


「さて、お前たちには、ここで沈んでもらうとしよう」


何この圧、かなり強そうね。勝ち目がないかも……。


「久礼、とりあえず距離をとって、砲撃を仕掛けるわよ!」


「ええ」


距離をとるために、後ろにステップを踏むが、


「太陽生成」


目の前に極小の火の球が現れて、


「身体が吸われる?」


正しくは吸い寄せられる、だと思う。かなり凄い引力だ。けど、なんとか戦車を出せば踏み留まれるレベルかな?


「「機工出庫」」


そのまま私たちは中にとどまり、砲撃を開始。


「ファイア、ファイアー、ファイア!」


「撃て、撃て。撃て!」


 砂埃がすごくなっているわね、すごい勢いで晴れてきたけど、


「どうした? わらわは無傷ぞ」


「へ、なんで……!」


敵と私たちの間に、火の球が移動している。どうやら砂煙はあそこに吸収されているみたいね。その吸収の勢いがすごいわ。このまま撃ち続けても意味が無いようね。なら、


「久礼逃げるわよ」


「応」


私たちは、紀光っぽい少女を乗せてこの場から逃げ出した、階段を戦車で登って行く。そして、何処に行こうかしら?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る