8話 城門前の戦い
城門前の戦い
「では、今から、城を攻撃する。先陣を式と、雛に任せるぞ」
久礼の号令に皆声を上げる。此処まで来るのに、部隊の2割が、市街戦をしている。
「え、今、夜よね? 明るいんだけど!」
そう言いながら、用意していた、メールを送信。あれから、丸一日経ったのに、明るいのビックリするわね。
「ここでは夜がない。この世界のこの場所だけだけどな。太陽を固定せし者がいるからだっていう話だ、アイツが生きている限り、太陽は宇宙の一点に固定されるそうだ」
「太陽を宇宙の一点で固定している?」
でもどうするのかしら? 一か所に太陽を固定するという事は、地面は動かないんだから、一か所にしか、太陽の光が降り注がないって事? けど、そんな太陽を動かさない能力ってありえるの?
「いくら、この世界が天動説を採用しているからって、無茶な話だなと思ったんだが、そういう能力を持てる可能性がある人物にいきついた」
「それは?」
少しは予想つくけど、合っていたとしたら、
「太陽神だ。あの方たちは、あり得ない力を操る。だからこそあの力も太陽神の力だと思う」
「やっぱりそうよね」
ここの太陽神も敵なのはきついわね、もう第一世界の敵が、太陽神だって決定しているのに。でも、やるしかない!
門が近づいてきた、そこには三人の敵がいる。さっき聞いた、三人のようね。
「じゃあ、私たちが戦うわよ」
「ああ、頼むよ」
戦車を出庫、戦闘態勢に入る、とりあえず、
「砲撃開始!」
「機銃掃射!」
分かってたけど、煙で見えなくなった。そしてその煙から、槍を構えて突っ込んできた影が一つ、煙をかき消したのが一名、後ろで魔砲を構えているのが一人、
「やっぱり無傷?」
「いや、煙をかき消した奴、杉谷 真美が血を出しているよ!」
雛が戦闘モードに入ってるわ、戦闘分析が流暢だわ。
「じゃあそこを狙う?」
「いや、あの子たしか、悪魔付きだとかで、何回か死んでも、復活できたはず、それに、あの子、たしか友達を探して、私たちとは違う世界、から来てここの世界に飛んだ子だと思う、だから、洗脳されているとみていいかもね」
「じゃあ、あの子は倒さない方向でいいかしら」
「とりあえず、道をつけるよ! 門番くぎ付けに! 機工装着!」
「ええ、機工装着!」
私は槍を持った少年に向かって砲撃する。それが衝突する瞬間を見ずに、中央に立つ、杉谷に苦無を投げる。苦無に杉谷が当たった事を確認して、槍の少年に目を向ける。
「無傷!? いや、あり得ないわよ」
「こっちもだよ! 確かに銃撃は当たったのに」
そちらを向かないで、敵の攻撃に集中する、槍を持って、突っ込んで来ているけど、それから離れていく。そして、その都度砲撃をかましているけど、回避、槍による一線両断? 払い落し、で、何故が防御される。
「なんか攻撃が通ってない?」
何か倒れた音もする。そっちを向くと、何故か、杉谷が血を吐いて倒れていた。
「わ、わたくしは、ああ、さっきの声が!」
な、なんか言ったわね。どういう事?
「ああ、わたくしは、日輪の太閤に従わないですわ! でも! あああああああああああ!」
やっぱり洗脳されているわね! でも、どうしようもないわ。それに、今、槍持ちに攻撃してみたけど、杉谷に攻撃が通っている! なら、
「雛! ここは、杉谷を倒して、相手の防御をはがすわよ」
「その話、ちょっと待ったー!」
この声は? おそらくだけど、
「僕に任せて、おそらくだけど、杉谷の能力は、気絶していたら、使えないはずだよ」
「皐文!」
やっぱり、皐文ね。一瞬姿を確認したけど、今は敵に専念しないとね。そちらを向かずに、
「でも、杉谷はさっき倒れても、すぐ起き上がったわよ?」
「多分、首輪のせいだよ。あれから電撃で、強制的に目を覚まさせて、気絶から覚醒、催眠状態にしてるんだよ。あの首輪が光ったのが見えたから、間違いないよ」
「けど、ああいう首輪って、壊したら爆発するんじゃ」
「僕が抑えるから、雛か、式が首輪を破壊してくれるかな? 爆発するとしても、そこまで大きい爆発ではないだろうからさ」
「いや、倒すなって言ったのは貴女よね」
「殺しつくすなって話だよ。つまり一回でちゃんと助けるべきだって話だね」
そんな会話しつつ攻撃の手も緩めない。接近はさせないようにしているけど、でも、突っ込んでくるから、怖いわね。どんどん距離を詰められているし、でも、
「雛、皐文と一緒に首輪の方をお願い! 私は、あの二人を、止める!」
「分かった。じゃあ、僕たちは、杉谷を捕まえて、ビルの隙間に逃げ込むよ!」
よしっ、何とか足止めしないと、まだ、雛は戦ってくれている。そうだ! 足元を狙おう! よし成功。槍持ちの青年が体勢を崩して、動けなくなったわ。
「よし、捕まえた!」
皐文の声が響く。その声とともに、雛が動いて、彼女たちを捕まえ、空を飛び、近くのビルの隙間に向かう、
「逃しません!」
その声とともに、男は空の雛たちに向かって、手をかざす。何かやりそうね、なら! 右手から、苦無を発射! 男の雛たちに向かってかざした手を、突き刺す! やっぱり! 魔力が手から大量に吸収できた。
「くそっ、どういう武器ですか! この苦無は、魔力が吸収されますね」
よし、このまま、こいつを引きはがす!
思いっきり、ワイヤーを巻き取り、こっちにひきつける。これで、一人、
「スゴンド! 貴様は、あの3人を追いなさい!」
「僕をスゴンドと呼ぶな! 名前嫌いなんだ!」
そう言いつつ、3人の方に走っていこうとしている。なら、
「機工出庫!」
戦車を出して、急速発進。何とか追い抜いて、前に立ちはだかる。ちなみに、苦無(魔吸のレプリカ)に刺さっている男は、引き摺られて、目を回している。
「機工装着!」
そのまま装着をして、欠かさず砲撃。敵本体ではなく、足元を狙う。
「くそっ、少しくらくらしていましたが、もう大丈夫です。あと耳もキーンとしていますが」
「アーム、お前の不調なんてどうでもいいんだ。早くあの娘を取り返さないと!」
「ええ!」
しかしあの二人の決意は空しく、
「できたよ!」
「これで、気絶させて大丈夫だね」
すると、男二人は、
「杉谷がやられたら、戻ってこい。太閤様の命令でしたね」
「そうだな。だが」
「貴方は何度死にましたか?」
「……おそらく3度」
「私は2度です。このままだと負けるのは目に見えています。なので撤退しましょう」
「……仕方ないな、お前たち、覚えておけ! 今度は絶対に勝つからな!」
ふう、なんとかなったわね。それにしても、
「二人ともありがとう。私だけだったら、その人を助けれなかったわ」
「いや、君たち二人が先行して戦ってくれたからだよ。その間に観察して分かったんだ」
「と、とりあえず、し、城にと、突撃しよ?」
「うん」
「ええ」
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