9話 命名

 命名




『駆逐艦収納完了』


収納が完了したよ。今は、六角形の機工からホログラムで出ている、画面をタッチして動かしている。じゃあ次は精査だね。精査アイコンをタッチしてっと、時間が出たね。2時間。これなら早く終わりそうだね。後は命名と建造だね。えっと、たしか、ここの名前の部分をタッチして、命名操作はしたことないから、少し戸惑いつつも、何とか命名完了。僕と同じ名前、皐月と命名に成功した。よしこれで最後の建造に取り掛かれる。けど、資材が足りない気がするけど、とりあえず建造開始してみよう。


『鋼材が、後、50トン程足りません。今すぐ鋼材を機工に接近させ、調達して下さい』


やっぱり足りない。ならば、さっき言われたように、金属資源を分けてもらおう。そう思い、少し歩きだすと、さっき見た子がいた。たしか、


「伊和ちゃんだっけ? 悪いんだけど、使っていい金属資材ってどこかな?」


「あ、確か~。皐月だっけ? 多分こっち~」


ついて行くと、格納庫に入って、僕も続いて、入るとそこには、戦闘機と共に、金属資材の山がビニールシートの下から顔を覗かせていた。


「すごい量の鉄の延べ棒だね。これ使っていいのかい?」


「そうね~。いいって言ってたわよ」


「ありがとう。じゃあ、かまわずに使わせてもらうよ」


機工を鉄の延べ棒に当てて、吸収を押す。大きさは延べ棒サイズの物を50トンまで。開始ボタンを押す。そして、


「調達完了だね。じゃあ、先に命名してっと、文月を建造っと」


「時間はどう~? 6時間以内なら、紫波に連絡しなくていいって言われているのだけど~」


「うん、大丈夫。5時間だよ。と言うか、なんで君はそんな指令を受けているんだい? 僕の前を偶然通りかかっただけなのに」


「あ~、それはね~、歩いているうちに、念話を飛ばしておいたからよ。それはそうと、なんで、紫波様は、資材を渡してまで~、駆逐艦を建造するわけ~?」


「いや、僕にもわからないけど、何か作戦があるみたいだよ」


「まぁ~、私も聞いてたから~、それは分かるんだけど~、コンボ? っていうのがよく解んないしぃ、それにぃ駆逐艦でできる事なんて、限られてるじゃん?」


「たしかにね。けどさ、君の所の艦長の言葉なんだよ。信じないの? というか、紫波の苗字て、紀光だったりする?」


「当たり~。あの人は、紀光ってぇ苗字ねぇ。だから信じたいんだけどぉ、偶にあの人寝ぼけたこと言うからさ~」


「寝ぼけたことって何なんだい?」


「ゴトから連絡が入ったとかねぇ、紀光研究所を壊して回るやつから連絡なんて入るはずないじゃない」


「たしかにね」


「挙句の果てには、ゴトも元は紀光だったとか、あいつは、あっしのせいで、今みたいになったとか言うんだよぉ。どう思う?」


「ゴトが、元紀光だっていうのかい? でも、それなら話が通る気がするよ。あいつらが使っていた、機工をゴトが作ったというなら、あの強さも納得かも知れないね」


「機工ってぇ、この機工?」


「ううん、その機工じゃなくて、八角形の機工だよ」


「じゃあ、違うかー。機工と言ったら、紀光グループが作りだした、昔の兵器を現代に、伝説、近代化改装などを施した物を作る、六角形の手のひら型工場だしぃ」


「そうだね。けど近い形をしているから、真似て作られたのかだと思うんだけど」


「マネじゃない?」


「うーん、そうなのかな? そういえば、式の手術は好調なのかな」


「あたしには判んないな~。あ、後、紫波様が、ある部屋を好きに使って良いって言ってたわよ。たしか、507号室だったかしら」


そう言って、歩き出す。僕もそれに続き、階段を下り、住居スペースへと向かう。そして、着いた部屋は、ベットとpcがあり、


「pcも使っていいよ~」


と言ってどこかに行ってしまった。少し室内を調べた後、pcを起動。紀光とゴトの関係と打ち込むと、やっぱり、政府でも攻めあぐねている紀光研究所を簡単に陥落させているゴトは、元々紀光と関係あったのではないかと言っている人を見つけた。しかし、それ以外は分からず終い。けどまあそんなものか。そう言い聞かせ僕はベットで横になった。

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