Black memory

楓 紅葉

姉の復讐

喧嘩

「ちょと勝手に入ってこないでよ。」

伴樹が懲りずにまた私の自室に入ってくる。色々と薬の研究をしているから危ないのに。

「姉貴、この本借りるわ。」

…また。これで何冊貸しただろうかもう分からない。出来るなら一回百円取りたい。それぐらい勝手に借りている。

「ちょと、まだ読んでないんだけど。…ねえ。」

「だっていいじゃん。仕事あるんでしょ。薬剤の仕事。」

いやあるけどさ、こいつはまだ読んでいないのに、ネタバレをしてくる。

「ねえ伴樹。何で借りるの。買えばいいじゃん。」

「だって買うのは少し抵抗があると言うか何というか。」

恥ずかしがりながらそんなことを言う。…あ、なるほど、伴樹が借りる本は恋愛小説だからか。いい事思いついた。

「さてと仕事しないと。悪いけど出てって。危ない事やるから。」

「はいはい分かりましたよ。」

出てってくれた。さてと先ずは材料からか。…あった。あと本棚から確かレシピがあったような。あこれこれ一回挫折したけど多分今ならいける。さてと徹夜で頑張るか。一日中机に向かって作業をしていた。試行錯誤をして何回も失敗した。そしてついにできた。これを飲ませれば。少しは言うことを聞いてくれるだろう。…ふう疲れたけど早く飲ませたい。そして伴樹の部屋に行った。

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