統一歴14年8月18日
君の手紙を読んでから1か月が経った。早いものだ。その前までは、1日1日が長く感じる日々だったのに。
さて、本題だ。やっと私は、するべきことを全て終えたよ。そう過去の精算を行ったのだ。君の手紙を読み、全ての過ちに気づいたときから考えていたことだ。君も喜んでくれるはずだ。もちろん君に直接何かをしてあげられなかったのは残念だが。
私は、まず過去に私が裁いて没落した貴族たちを再興させたのだ。もちろん、被害者たちに土下座をしたよ。君がよく言っていた土下座である。地に頭をつけて謝ったよ、少しでも私の気持ちが伝わっていたら嬉しい。もちろん、君の家にも私が持つ利権のうち商業権に関するものを渡したよ。どうやら君は我が国の商業システムに不満があったようだね。だから、関税に関する利権を渡した。多分君の残した優秀な息子や部下たちが君の描いた夢を実現するのももうすぐかもしれない。
色々と早急に行いすぎて、老骨には辛かったよ。もちろん全て私の自業自得であるから当然のことをしただけというのはわかっているよ。確か君の言葉に「目には目を歯には歯を」だったね? 私は、君たちが辛い思いをした分と同じだけ返せたか分からない。でも、少しでも多くを返せていたことを願うよ。あと君の夢だった平民貴族が平等に学べる学舎を作ったんだ。私が使える伝手を全てを使って完成させたよ。君に喜んで貰えたら嬉しい。
これが私がこの1か月間で行ったことの全てだ。どうかな君は許してくれるだろうか。それとも、まだ足りないと言うかな。分からないが私にはこれ以上することはできない。もう地獄に落ちなければいけない。だから、これくらいで許してくれないか。私は地獄に落ちるから、再び君と巡り逢うことはないが、君の幸せを願うよ。最後に私に償いをさせる機会を与えてくれてありがとう。さようなら。
親愛なるオレリアにこの思いを捧げる。
ミロス・ド・ル・ランベールより
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