短い物語

渋谷かな

第1話 短い物語 お姉ちゃんに任せなさい!

「ウエーン!」

 小さな男の子が泣いている。推定5歳以下。

「どうしたの!? 伸太!?」

 そこに少女が現れる。推定15才前後。

「おみつお姉ちゃん! いじめられた!」

 小さな男の子は弟の伸太。

「言ってみなさい! 誰にいじめられたの!? お姉ちゃんが仇を討ってあげる!」

 少女の名前は姉のおみつ。

「昇太。」

「お金持ちのバカボンね。」

 昇太は庄屋の息子でお金持ちで威張り散らしていて、他人の痛みなど分からないクズであった。

「僕を見て「貧乏! 貧乏!」ってバカにするんだ!」

 おみつと伸太は早くに両親を亡くし江戸幕府からの給付金でなんとか生きていた。

「確かに私たちは貧乏だけど許せない! お金持ちが貧乏人を見下すなんて! お金持ちなら貧乏人に寄付しなさいよね!」

 貧乏人の正論で指示共感を得ようとするおみつ。

「お姉ちゃんに任せなさい! 渋谷流剣術の恐ろしさを教えてやる!」

「がんばれ! お姉ちゃん!」

 おみつは剣術を使うことができた。


「頼もう!」

 おみつは弟の仇を討つために庄屋に乗り込んだ。

「なんだ? 貧乏人はお断りだ! 帰れ! 帰れ!」

 庄屋の昇太の父親も貧乏人を見下す性格だった。

「まさに最低の子供が生まれるための、最低の父親ね。」

 おみつは庄屋さんに吐き気がした。

「あなたの息子がうちの弟をいじめたんです! 謝ってください!」

 果敢に立ち向かうおみつ。

「はあ? 貧乏人がいじめられるのは当然だろう。悔しかったら金持ちになるんだな。ワッハッハー!」

 庄屋さんのお金持ちの理論。

「ゆ、許せん! 天に変わって成敗してくれる!」

 怒ったおみつは竹刀を構える。

「ヌヌヌッ!? 貧乏人がお金持ちに歯向かう気か!? 面白い! 先生方! 小娘に痛い目を味合わせてやってください!」

「おお!」

 庄屋の中から5人位の用心棒の先生方が現れる。先生方は真剣を持っている。

「面白い! やれるものならやってみなさい! 返り討ちにしてくれるわ!」

 おみつは果敢に挑み突進する。

「渋谷流剣術! 秋田剣!」

「ギャアアアアー!?」

 おみつの竹刀が油断している用心棒を倒す。

「シバ剣!」

「ギャアアアアー!?」

「土佐剣!」

「ギャアアアアー!?」

「チワワ!」

「ギャアアアアー!?」

「ゴールデン・レッドリバー!」

「ギャアアアアー!?」

 途中に違うモノが混じっていたが細かいことは気にしない。

「先生方が倒されてしまった!? おまえはいったい何者だ!?」

 庄屋さんもおみつの強さに驚愕する。

「私は伸太のお姉ちゃんだ!」

 そう、おみつは弟思いの姉であった。

「お姉ちゃん!?」

「そうよ! 弟がバカにされたら、復讐する! それがお姉ちゃんよ!」

 恐るべきお姉ちゃん伝説が始まる。

「それがどうした!? こっちには、まだ大先生がいるのだ! 大先生、お姉ちゃんを懲らしめてください!」

「おお!」

 大男の用心棒の先生が現れる。

「デカイ!?」

 現れた巨人に驚くおみつ。

「いいでしょう。私の最大の必殺技でお相手しましょう。」

 気合を入れるおみつ。

「いくぞ! 渋谷流剣術奥義! ハチ公!」

 おみつの竹刀から光の犬が飛び出す。

「ワンワン!」

 そして光の犬は巨人の用心棒に突撃する。

「ギャアアアアー!?」

 光の犬が巨人の用心棒を倒した。

「どうかお許しください!? 命だけはお助けを!?」

 さすがに強情だった庄屋さんもおみつに土下座して頭を下げた。

「うちの弟に謝りなさい!」

「はは~! 謝らせてもらいます!」

 これにて一件落着。

「お姉ちゃんに任せなさい!」

 これがお姉ちゃんだ。  

 つづく。

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短い物語 渋谷かな @yahoogle

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