L&R!

猫町大五

第0話

「なあ」

「何だ」

「僕はね、前から君に聞きたいことがあったんだ」

「ほう」

「・・・その喧嘩っ早いの、どうにかならないものかな?」

 運転席の男を見つめる、呆れた目。

「・・・あのな」

「いや、か弱い少女を助けようとした事は賞賛に値するよ?だがね、その後がいけない」

「・・・はあ」

「助けたのは結構だ。その後君はどうなった?」

「囲まれたな、物騒な男共に」

「どうした?」

「倒した」

「何で?」

「銃で」

「それで今、どうなってる?」

「・・・追われてるな、色んな所に」

 ・・・溜息。

「・・・・・・結論はこうだ。君が善意から助けた少女は、強盗のための囮だった」

「オーケィ、それを邪魔しちまったから、変な因縁付けられて今に至る、と」

「その通り。そしてたまたま買い出しに出てたとある少女が、とばっちりで巻き込まれたと」

「・・・ホントに済まん」


『居たぞ!!』

『あのクソ野郎、ぶっ殺してやる!!』

 響き渡る怒声。

「君、ミンチ肉は好きかい?」

「・・・なるのは遠慮願いたいね」

「じゃあ、とっとと此処を離れるべきだ。優しい少女は君に付き従ってあげるとしよう」

「そりゃあ良い、道中が実に華やぐ」

「両手に花?」

「将来はな」

「・・・半々だな、君の遺伝子はどうも」

「ひっでぇ!!」

 中古のオペル・オリンピア。左側には軍服崩した金髪男、反対側には白衣着込んだ白髪幼女。人生跨いだ珍道中、乞う、ご期待?

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