南極富士山の話
OZさん
第1話
私達日本入は、富士山をすごく誇りにしていますね。そして絵に描いたり、和歌に詠んだり、またよく色々なものに「ふじ」という名をつけています。たとえば、姿のいい山に「蝦夷富士」とか「薩摩富士」という具合に。それは、姿形が富士山によく似ていて、まるで富士山のようだから、そんな名前がつけられているんです。でも、富士山ほどには大きくもきれいでもないので、富士山の弟分にされているわけです。
では、なぜ日本人はこれほど富士山が好きなのでしょうか。なぜほかの山じゃいけないんでしょうか。
それは、本物の富士山は世界に一つしかないからなのです。それは、富士山より高い山は、世界にいくつもありますし、美しい山だってほかにいくつもあります。でも、とにかく富士山と同じかっこうで、富士山より高くて美しい山はないんです。だから、みんなは富士山をすごく誇りにしているんです。
もし富士山そっくりで、しかも、もっと大きくて、もっときれいな山があったらどうでしょう。そうしたら、まるでそっちの山の方が本物で、富士山はその山のにせものみたいになってしまいます。そうしたら、みんなはどう思うでしょう。きっと、すごくがっかりしてしまうでしょうね。
これからしようと思っているのは、そんなお話しなんです。
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