(二)‐14

 ライトの先端から光が出ると、とっさに判断したいずみは反射的に目を閉じた。何か痛いこととかまぶしいことが起きているのではないかと思ったが、何も感じなかった。

 いずみが恐る恐る目を開けると、自身の体が光に包まれているのがわかった。足の先から手の先まで、自分からはよく見えないが、たぶん頭の先まで光に包まれているに違いない。

 光はいずみの体に何かしらの変化をさせているわけではないようだった。痛みもなにも感じない、くすぐったさも感じなかった。しかし、手や足などを見ていると、どうも服が光に溶けてしまい、消えてなくなっているように見えた。ブレザーの袖部分はどんどん薄くなり、すぐに白いシャツが見えた。そのシャツもすぐに透明になり、自分の肌が見えた。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る