(二)‐7
いずみは不安になった。通学路のすぐ脇にあるとはいえ、中がどうなっているかなんて興味もなく、覗いてみたこともなかったからだ。まさか鍵が開いているとは思わなかったし、この三人が普段からこの建物に出入りしているとも思わなかった。
それに、椿は「お茶しよう」と言っていたから、てっきり駅前のシアトル系のカフェにでも行くのだといずみは思いこんでいた。確かにドリンクを持ち込めば、ここでも「お茶」することには違いない。
とはいえ、実はこの建物の中に三人の仲間がいて、なにかされるのではないかということも頭をよぎった。
「やっぱり私、帰るね」といずみは言いかけたところで、クロエに「あんたも入るのよ」と背中を乱暴に押されて入口をくぐってしまった。
(続く)
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