ボクの彼女とワタシの彼

阿佐ヶ谷ピエロ

第1話 ボクの彼女 1

今、ボクは彼女と手をつないで歩いています

す。とても幸せを感じています。

彼女はボクより少し背が高く、とても美人です。髪は長く腰の辺りまで真っ直ぐ伸びていて、艶があって風でなびいています。

彼女は都内のアパレルに勤めているらしく、とてもおしゃれだなぁと思います。

ボクはそんな彼女の横顔を横目でこっそり見るのが好きなんです。

今日は、一週間ぶりにデートに誘いました。

2日前に予約したイタリアンレストランに行く途中です。僕達は2ヶ月前から付き合いはじめました。最初はお互いぎこちなかったけれども、今は少しずつリラックスしてきていると思います。

思えば、どうして彼女がボクのような男と付き合ってくれたのか不思議ではあったのですが、聞くのも少し怖い気もするのでそのままにしていますが、もしタイミングがあれば聞いてみたいとは思っています。

おっと、通りすぎそうだった。この店だ。

お店は凄く賑わっていて、繁盛してる店みたいです。

ボクはビールで彼女は赤ワインのグラス、そして前菜、パスタを、食べた。ボクはもっといろいろ食べたかったが、彼女はもうお腹一杯のようでボクはもう少しゆっくりしたかったけど、お会計を済ませて店を出ました。

結局、話は最近の仕事の事やテレビのお笑い番組の事などで、どうしてボクと付き合ってくれたのかということには及ばなかった。

帰り道に小さな川が流れていて、その川沿いが公園になっているのでそこで少し休もうとボクは言った。少しお酒の勢いも借りて彼女にボクの疑問を聞いたところ、彼女はボクの優しいところに惹かれたと言ってくれた。

実はまだキスをしてなかったボクは思いきって彼女にキスをした。彼女もそれを受け入れてくれたのがわかった。ボクは今しかないと思い自分の部屋に彼女を誘った。最初は少しためらっていたが頷いてくれた。

ボクの年齢は42才、彼女はボクより10才若い32才で、ボクは今まで誰とも付き合った事がない独身男です。最近は頭のてっぺんが少し気になりはじめたし、背も高くない、お腹も最近の接待のせいでベルトの穴が3つ移動した。自慢と言えばギャンブルなどはしないし、会社で主任から課長代理になったことと、今ハマっているオンラインゲームで最終ステージまでたどり着いたことぐらいだ。

そんなボクがこんな綺麗な人を自宅に誘うことになるなんて、今でも信じられないが事実だ。少し鼓動が激しくなっているのが気になるが一生懸命冷静を装った。

ついに自宅に彼女を入れた。東京に出てきて

24年ではじめて女性を部屋に入れた。一応今日は誘う覚悟はあったので、あらかじめ部屋は掃除しておいた。彼女は部屋を見るなり一人暮らしのわりに綺麗にしてるんですねと、言ってくれた。

ボクは彼女を、抱き寄せた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る