It is what it is.
リリリサスバー
荒れ果てた町 トーキョー
ここは日本。
そしてここは荒れ果てた街トーキョー。
今日も血と肉に飢え、
悪という正義が
意味を成す一日が始まる。
「ここはどこだ?」
昨日の記憶はもう無い。
過去を記すノートさえも破れ、
明日を示すカレンダーさえ破れ落ちた。
腐ったストリートの
汚染された空気にかぶれ、
平和や生きるといった美しき精華も、
今や破れかぶれな幻想となり、
低落した人間の心になって、
その手に添えられた
決断というピストルが、
空気に触れるもの総てを
撃ち壊す。
人と人がお互いを畏怖し、
赤色を流す日々には慣れてしまった。
むしろ普通ではないのが、
普通となってしまった。
ー2年前ー
この町は東京だった。
今は東京ではないのかと言われたらハッキリといえる。
今のは東京ではない。トーキョーだ。
この町に突然一つの集団によって変わった。
名もなき集団。
奴らは町中に毒ガスを撒き、
人を撃ち殺し、切り殺し、
人という人を
殺して回った。
悪意はあったのか。判らない。
人は人を憎しみそれが連鎖となって繋がっていく。
いや、図らずもその範囲、規模が大きかっただけかもしれない。
あの男は。
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彼の名前は ビス=カイン
テロ軍団のリーダーだ。
ちなみにとても
黒吹 喩來
「くろぶき ゆらい」と言うある男と
仲が良かったらしい。
なんでも黒吹は財閥の子供だったとか。
ビスの生まれながらにして育った環境は最悪だった。
育児放棄と挙句の果てには暴力を振るわれる毎日だった。
だが、
ビスには当たり前で、
むしろ何も思わなかった。
町中ドラッグの匂いでまみれ、
殴り合いが始まる。
そしてそれが拡がって紛争が始まり、
流れ弾が飛んでくる。
そんな生活を当たり前に過ごす中で偶然。
日本に行く機会ができた。
彼は日本へと飛んだ。
そこは15歳のビスにとっては衝撃だった。
ビスとっては当たり前に起きていた
喧嘩も、
パトカーの音も、
銃声の音もしない。
あるはずのものが無いのだ。
あるのは他人の価値観に従うだけの人間や、
イエスを強要しあう
ゴミ屑しかいなかったからだ。
己の知っている
奴ら=『人間』
とは全く違ったのだ。
奴らを見ていると興味が湧いたのだ。
こいつらの
「日常」を壊したらどうなるのかと。
その夜は心が高ぶり眠れなかった。
===================
今朝
俺は教師と生徒何人かを殺した。
その教師は皆から慕われていたという。
でも俺は知っている。
いや見たのだ。
奴が教室で
他教師と話していたのだ。
「まじでちょろいわー
あいつら褒めれば
(さすが先生♥、
頼りになるぅー
とか、
先生ならいいよ…)
とか言ってハメらせてくれるんだぜwwwww」
「お前マジで最低だなぁwww」
俺はこれを見た、、いや正確には
聞いた
という方が正しいのか?
安心したのだ。
正直言って内容には超然としていた。
同族嫌悪といったらあの教師と
同種族になる。
それは避けたかった。
あえて言うならば
、、
やめておこう。
俺には男を殺したことよりも、
それでどうなったがというほうが重要なのだ。
結果としては十分だった。
ホームルームの時間に行動に移した。
最高にハイだった。
女たちの悲鳴とともに逃げる奴がいたり、
俺に向かってきたりする男達がいた。
勇敢な奴らだと思った。
1パーセントの敬意をもって、
まとめてあの教師と
同じ所へ送ってやったがな
潜ってる修羅場の数が違うのだ。
だが、一人だけ。
一人だけ逃げず、向かってくることもなく、
ただ座って本を読んでいた。
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計算違いだった。
そもそも計算なんてしてなかったのであろうが。
だが、殺す気にはならなかった。
とにかく、
俺にはどんな結果よりもこの事実が
嬉しくも、
憎くも
可笑しくもあった。
「お前、何してるんだ?」
興味本位だった。
「本を読んでいるんだ。読むかい?
2巻目だから1巻目からの方がいいと思うよ。」
「そうか、見せろ」
俺はそいつから本を受け取った。
タイトルは、「人間のやめ方」と書いてあった。
「辞めれるのか?人間」 真剣に聞いてみた。
「うーんどうだろうね?君はどう思う?」
質問に質問で返してきた、、、、、。
「そもそも物事って
全て人間が決めたものだろ?
だから人間が
人間をやめますって
言った時点で
そいつはもう人間じゃなくても
いいんだ。」
俺は素直に言った。
するとそいつは大笑いした。
俺は何が面白いのかわからなかった。
そのあと俺にこう言った。
「君か・・・・よし。君についていくよ、
どこまでも、。」
奴は
ヘラヘラ笑いながら声だけは透き通っていた。
俺は初めて。
よくは分からなかった。
いや意識する中では
初めて少しだけ。
少しだけ。
======================
「お前なんか策略あるのか?そうだ、お前の名前は?」
「黒吹喩來だ。君は?先に名乗るべきじゃない?」
「うるせえ。ビスって呼べ」
「じゃあ・・・正面から行く?」
行くわけがない。
しばらくしても誰も入ってこないし
さっきと比べると確実に、、
いや全く足音がしない。
恐らくは外でポリスたちが待っているのだろう。
「行くわけねえだろ、上か下だ。」
「じゃあ、下は無理だね。
うんうん。
上から
行くしかないよね」
「お前に何ができるんだ?」
「ヘリを呼ぶ。」
「ヘリ持って来れるのか?変な奴だな。
じゃあ、、銃とか持っては来れるのか?」
「うんできるよ、、何?戦争?」
「ああ」
するとクロは電話に向かって言った。
「あ、うんうん。
よろしくー」
電話を切った。
始まるのだ。
彼らの理想郷への
"
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