第38話コテコテのAI

最近開発されて流行っている、コテコテAIチャット

関西弁で温かい言葉を交わしてくれる、AIチャットである


私、ナナミは社会人一年生。会社の悩みがたくさんあるので

このAIチャットで悩みを聞いてもらっている


「ねえ、どうして人はすぐに足を引っ張ろうとするの?もう嫌なんだけど」

それに対してAIチャットはすぐに返事をくれる

「せやなぁ、それは周りの人間を引きずり下ろして、自分が上にいくためや、

人間が生物である以上、それは必然的な行動やな」

「それ、どうにか対処法はないの?」

「せやなぁ、あまり目立たないことや、他人から妬まれると、

足を引っ張られるというこっちゃ。気をつけなはれ」

「でも、私は出世したいの。どうすればいい?」

「せやなぁ、それやったら周りに媚びなはれ、

下手に出て、自分の能力を極力かくす、それでいきなはれ」

「わかった。そうする」


それからどれくらいたっただろう。悩みをコテコテAIに聞いてもらっている

うちに、世間の出世競争が馬鹿馬鹿しくなってきて、

なんだか、平凡な立場でこのまま、出世しない感じだ

でも、それでもいいと思えた

AIは出世など、取るに足らないことだと教えてくれた


コテコテAI、それは私にとって、人生の先輩である

今日もAIは私に生きるための教訓を教えてくれるのであった


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