第21話ハッピーカウンセラー

 彼の事を皆、ハッピーカウンセラーと呼ぶ

彼はとある小学校のカウンセラーをしている

彼のもとを訪れる子は深刻な問題を抱えた子ばかりだ

「先生、実は僕は親からいじめられてるんです」

彼はそういった深刻な話を聞くと、うんうんとうなずく

そして、ひたすらその子の話を聞く

話し終えた子供は皆シクシクと泣く

ハッピーカウンセラーである彼は、笑顔で語りだす

「君は悪くないよ、どれ、私が君の親と話しに行こう」

すると、彼は少年を連れて親元に行く

彼は親に会うと開口一番、「これ以上、この子をいじめると

私が許さない。徹底的にお前を苦しめてやる」

ハッピーカウンセラーである彼は、どすの効いた声で威嚇する

親は狼狽して、ただただ彼を見つめる

その日から親の虐待はピタリとやむ

ハッピーカウンセラーである彼の目に狂気を感じたから

親も子供に手だしできなくなるのだ

「ハッピーを獲得するには、鬼の心が必要だ」

そう、彼は心を鬼にして、子供をハッピーにする

ハッピーにするには、生半可な覚悟ではできない

今日もハッピーカウンセラーは心を鬼にして、毒親と戦う

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