第6話ちきゅうぼうえいぐん

今日も地球防衛軍は暇であった

なぜなら悪徳宇宙人の襲来がないからだ

善良な宇宙人ならば、目の前にいる

「ワレワレハ、ウチュウジンダ」

目の前の宇宙人はそう同じことを繰り返して言う

「隊長、この宇宙人どうにかなりませんかねぇ」

地球防衛軍の隊員はこうぼやくとウンザリした顔で宇宙人を見た

「仕方ないのだ。宇宙人の管轄は我々地球防衛軍だからな」

隊長もウンザリしながら宇宙人を見る

なぜウンザリするかと言えば、「ワレワレハ、ウチュウジンダ」

しか言わない宇宙人相手に退屈してきたからだ

どうもこの宇宙人、それしか言葉が分からないらしい

ただし、ぞんざいにも扱えない。なぜなら隊長はプレゼントをもらったからだ

そのプレゼントとはアジの開きである

宇宙産のアジは無重力に近い状態でとれるので、身が膨らんで美味しい

隊員全員分のアジの開きを手渡すと、宇宙人は去っていった

「隊長、あの宇宙人、なにしに来たんでしょうか?」

「たぶん、地方物産展の展示会と勘違いしてここに来たんだろう

まぁ、かえってくれてよかった」

宇宙人も最近は儲けが少なくて、こうして地球までやってくるのだった

世知辛い世の中である

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