(二)‐6
ただ単に絵を描きたいとしか思っていなかった郁雄には、そこまで将来のことを考えている恵美の言葉に衝撃を受けた。彼女のしっかりした考え方に対し、自分の甘さというか、思慮の足りなさのようなものというか、お気楽で単純な自分がとても恥ずかしく思えたのだ。
だから郁雄は帰宅後に美大について調べてみた。自分がいる世界がどういうところなのか、今まで全く意識していなかった自分の立ち位置を確認したくなった。したくなったというより、しなくてはいけない気がしたのだ。
(続く)
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