命懸けのヒロイン攻略

夢咲トモ

第1話 はじめの一歩


「さて、続いてのニュースです。昨日千葉県で男子高校生が殺害される事件がありました。殺害されたのは深平 大晴さん16歳で、腹部を中心に全身におよそ50箇所にものぼる刺傷があったとの事です。犯人は未だ見つかっておらず、警察は捜査を強化して行くとの事です」


「え、物騒な事件だな……。てか、こいつどれだけ恨まれることしたんだ………。」


仮に快楽犯だとしても50回ほど刺すのは無いと思う。あくまで予想になるがな。

そう考えると、犯人と被害者が知り合いだと言う可能性が高くなる。

何かしらいざこざがあり、そこから喧嘩などに発展。そして終いには殺されたと。

我ながらいい推理だ。

さっきまでの自分の推理が正しいとするのならば、犯人は被害者の知り合い。

知り合いということは、家族や親戚、友達、交際者と少しずつ絞れていく。

でもいざこざがあったとして、それが殺人という大罪を起こしてしまうほどの大事でも、知り合いがそんなに沢山の回数刺すことは可能なのか?

相手との思い出、相手の性格、相手の匂い、相手の手の形。どれも最高じゃないか。

いやでも、それでもそんな沢山刺せないと思う。ということはやっぱり赤の他人なのか。もしや地球外生命体か。

流石にそれはないか……

「ってもうこんな時間!?今すぐ家を出ないと遅刻じゃんか!」

時計の針は7時40分を指していた。

青年は急いでご飯を食べ終え、家を出た。

あ、俺の名前は渋垣 玲翔。高校2年生だ。よろしく!

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