第152話 妖精王パート22



 「も・も・もちろん。草薙の剣を奪いにきたぜ」


 「そ・そ・そうよ。私の思った通り虹蛇の体内にあったのね」


 「ヤミークラブって言ったような気がしたが・・・」


 「つ・い・で・に・だ。草薙の剣を奪いにくるついでにヤミークラブも奪う予定だったのだ」


 「そうよ。その通りよ!」


 「草薙の剣もヤミークラブもお前達には渡さないぞ」


 「早く美味しいコアを渡すのよ」



 レインボースネークの胴体に埋もれていたサラちゃんが戻ってきた。



 「美味しいコア?」


 「そうなのよ。あなたの体内には必ず美味しいコアがあるはずなのよ」



 サラちゃんはお腹が減ってきてイライラしている。



 「幻魔のコアのことだな・・・外の世界で動いている虹蛇は、私が巨大な幻魔のコアで作り出した生き物だ。まさかそのことまで知っているとは侮れない奴らだな」



 サラちゃんの食欲の直感が見事的中した。虹蛇の中には大きな幻魔のコアがあったのである。



 「幻魔のコアは俺を倒さない限り手に入れることはできないぞ。だから絶対に手に入れることはできないのだ」


 「絶対に手に入れるのよ」



 サラちゃんはサラマンダーに姿と変えて強大な炎を吐き出した。


 強大な炎はレインボースネークを直撃する・・・しかし炎はすぐに消えてしまった。



 「サラの炎が効いていないぞ」


 「本当ですわ。なぜなのかしら?」



 サラマンダーは幾度となく炎を吐き出すが、レインボースネークの7色に輝く鱗に全て吸収される。



 「これならどうよ」



 サラマンダーは無数の溶岩を降り注ぐ、溶岩がレインボースネークの胴体に落ちるが、光り輝く鱗に弾かれて溶岩は砕けて消えてしまう。



 「俺の7色の鱗はあらゆる魔法を吸収して無効化するのだ。そして、あらゆる攻撃を跳ね返すことができるのだ」



 「サラの攻撃が効かないぞ・・」


 「こんなの初めてですわ。サラちゃんが苦戦しているわ。イフリートどうすれば良いのよ」


 「わかりません。ただ、魔法・物理攻撃以外の攻撃ができれば、倒せるのかもしれませんが・・・」



 サラちゃんがいくら攻撃しても、レインボースネークには全くダメージを与えることはできない。レインボースネークは大きな体を動かして、サラちゃんを飲み込もとするが、サラちゃんは必死に避けるのである。


 当初は、レインボースネークの体内に入る予定だった、レインボースネークの口の中は虹色に光っているので、サラちゃんは危険だと察知して食べられるのを避けるのであった。



 「すばしっこい奴め」



 サラちゃんがレインボースネークに苦戦している頃、トールさんとポロンさんは、こっそりとヤミークラブの料理の方へ移動した。


 レインボースネークはサラちゃんを食べようと必死である。意識はサラちゃんの方へ向けられているので今がチャンスなのであった。



 「ポロン、音をたてるなよ。サラが俺たちのためにレインボースネークを引き止めてくれている。サラの有志を無駄にするなよ」


 「もちろんよ。サラちゃんのためにも、私がたらふくヤミークラブを食べるのよ」



 こういう時だけは連携が取れる2人であった。2人はゆっくりとゆっくりと見つからないように、ヤミークラブの料理に近づくことに成功した。


 ヤミークラブはレインボースネークがトグロを巻いている尻尾のあたりにたくさん用意されていた。



 「やっと着いたぜ」


 「そうですわ。サラちゃんが頑張っている間にヤミークラブを食べましょう」


 「そうだな」


 「いただきまーす」



 トールさんがヤミークラブに手を伸ばした時・・・



 虹色の光がトールさんを襲う。


 トールさんは瞬時に避ける。



 「なんだ。この光は・・・」


 「俺のヤミークラブに手を出すな」



 トールさんの目の前に大きな目玉が現れた。


 それはレインボースネークの顔であった。レインボースネークは尻尾に顔が付いている双頭の蛇であった。



 「ポロン逃げるぞ」


 「もちろんよ」



 2人は一目山に逃げ出す。尻尾の頭はトールさん達を追いかけてニョロニョロと追いかけてくる。






 「どうしたらいいのよ!私の炎が全然効かないわ」



 サラちゃんは焦っていた。自慢の炎が全くきかないのでどうしたらいいのか分からないのである。レインボースネークはしつこく食らい付いてくるが、スピードではサラちゃんのが圧倒的に早いので、食われることはないが、攻撃が通用しないので困り果てていた。



 「そうだわ。あれがあったわ」



 サラちゃんは思い出したのである。



 「これでくらいなさい」



 サラちゃんは紫色の炎をレインボースネーク吐きかける。



 「色を変えてもお前の攻撃は通用しないぞ」



 紫色の炎はレインボースネークの鱗に吸収される。



 「だから、無駄だと言ったのだ・・・・ウギャーーーーーー」



 紫色の炎はレインボースネークの体内に吸収れて体内に毒が入り込む。



 「効いているみたいね」



 サラちゃんは猛毒のコアを食べたので、猛毒の炎が吐けるようになったのである


 サラちゃんは猛毒の炎をレインボースネークに吐きかける。レインボスネークの鱗は猛毒の炎を吸収する。そして、猛毒はレインボースネークの体全体に蔓延していくのであった。

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