第2話 ソ連の車

 第二次世界大戦末期のある日、アメリカ兵がドイツ兵を捕虜にした。二人が歩いていると、そこへソ連軍の自動車が通りかかった。運転していたソ連兵が、二人を自動車に乗せてくれた。ところが軍がエンストしてしまった。

 マニュアルを片手にアメリカ兵がエンジンをいじってみた。しかしエンジンは動かない。


 ソ連兵が


「この車、ソ連製作だからな」


 と言いながらエンジンに近寄り、一言囁いた。


「同志よ、シベリアへ送られたいのかい?」


 エンジンは直ぐに動き始めた。

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