ネクストジェネレーション
海底中央
序章
未来のプロローグ
俺は何のために戦っているのか。
こんなに痛い思いをしてまで叶えたい願いなのか?
共に戦った仲間は既に死んだ。
剣を握る右腕が切り飛ばされる。
ナイフを握る左腕が炭化して崩れ落ちる。
苦し紛れに放った蹴りが受け止められ足を握り潰される。
心術で再生させた右腕から顔を狙い炎を放ち
その隙に足を再生―――できない。心力が尽きたらしい。
あぁ、あと一歩、駄目だ、足が潰れて踏ん張れない。威力が足りない。
また死ぬのか。ここに来るまで何度も何度も死んだ。その度痛みに耐え復活し、死を恐れず戦いに臨む。
これまで何度繰り返したのかわからないサイクル。こいつに殺されるのは二度目だが、初回よりは戦えていたので準備の方向性は間違いではなかったことは収穫だった。
なんにせよ俺は死ぬ。直前にセーブしたのはここから一番近い町だったはずなので、またミーティング後準備をすることになるだろう。俺の課題は心力の配分だな。最後の攻撃が完全に入っていれば―――
そこで衝撃と共に、俺の意識は飛んだ。
そう、死んだのだ。つまり、またあの痛みが襲ってくる。
始めの頃に比べると耐えられるようにはなってきた。心核が強くなってきた証らしいので、喜ぶべきなのか死ななければ実感できないことを嘆くべきなのか・・・。
それでも、初回などは痛みのあまり復活後もしばらく動けないほどで、もう二度と戦いなどするかと誰もが思っただろう。
だが、ゲームがゲームから現実へと変わった瞬間から、プレイヤーは戦わないという選択を取ることができなくなってしまった。
結局のところ、俺は俺として生きることを諦めきれなかっただけだ。もう既に俺ではないというのに―――。
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