目が覚めると、そこは見知らぬ世界であった。

 

 何処から射しているのかわからないが、明るい光に包まれている。ほのかに暖かく、見渡せば美しい山や川、森がある。奥の方には海が薄っすら見える。


 そして、前方に1人の女性がいる。


 白い髪に、ベールのようなものを着ており、見るからに一般人ではない。僅かに微笑みながら、こちらへゆっくりと近づいてくる。


 「ようこそ、お怪我はありませんか?」


 いきなりの問いかけに、ボクは戸惑う。そんなボクを無視するように、彼女は続ける。


 「私はレリフといいます。勝手な事で申し訳ないのですが、倒れていた貴方をここまでお連れ致しました」


  「え?連れてきた?」


そもそも何処かで倒れていたということも知らなかったのだが、レリフという女性がボクを運ぶイメージも、理由も全くわからない。


 そして、重要な問題が残っている。


 「あの、ここは一体何処なんですか?」


 それを聞くと、彼女は自信に満ちた声で言った。

 

 

「ここはアイポーツ。未来に不安を抱えることのない、素晴らしい世界です。」

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