40.おまけ②

おまけ② テンタクル観察レポート



テンタクルは数本の触手を持つピンク色の軟体動物です。

触手の数は個体により変わります。

人間を捕食、もしくは生殖行為に利用するために疑似餌として人間と同じ姿に化けて誘き寄せます。

この時の姿はほぼ完璧に人間と同じであり、テンタクルの化けた姿と本物の人間を見た目で区別する方法はありません。

ただし疲労に弱く、長時間歩行するなど運動で体力の限界を越えると元の軟体動物の姿に戻ってしまう例があるそうです。


3-A区画に収容されているテンタクルは、突然変異により上半身は人間の成人女性の姿、下半身は本来の触手を持つ軟体動物の姿を常時取っています。

構造上自立ができず、また上半身とのバランスの悪さから他のテンタクルと同じスピードで這って進む等の行為ができず、普段移動する時は前述のミミックに背負われています。


触手は八本あり、それぞれ形状や太さ、粘液を分泌する場所などが違っています。

一番長いものは伸ばすと六メートルを越えるそうです。

その長さでどうやって着用しているスカートの中に収納しているのか、と聞いたら顔面を触手ではたかれました。

今後気が向いた時に答えてくれることに期待したいです。


分泌する粘液には毒が含まれており、効果は麻痺、刺激興奮、筋肉の弛緩などが上げられます。

この毒は捕食対象である人間に特に効果を発揮します。


補足:いつもテンタクルを背負うミミックには粘液の毒は効かないのかと尋ねると、『同じ魔族であるため、とても気合いを入れないと効く粘液は作れなかった』と答えられました。

その粘液は作ったことがあるのか、いつ作ったのか、作ってどうしたのか。

気が向かずに謎のままであることを期待したいです。

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