初めてのリレー小説

@honoka0226

初めてのリレー小説

 ある夏の日、僕たちは無人島と思われる場所にいた。


 起きて辺りを見渡すと周りは一面海だった。


 島には夜かと思うほど暗い森があった。


 僕は学校の授業で生活の基礎知識を学んでいたので冷静に周りを観察することができた。


 砂浜を見るとたくさんのごみが流れ着いている。


「だれかいませんかー?」皆で辺りを散策してみる。


 俺たち以外の声が一切聞こえない。


 散策している合間に日が沈んできたので火を付ける。


 食材を探しに行き木の実を少量見つけた。


 見たところツノハシバミのようなので今日は飢えを凌げそうだ。


 そんな時、森の方から音がした。


 音はしたが何も出てこない。


「なーんだ、何もないじゃん。」


「柚ビビらせんなよ。」


「そうだよ!ビビらせないでよ」


「みんな聞いてくれ、今日はここで野宿になると思う!明日からは引き続き散策と人の捜索にあたってくれ。」


 リーダー格の男の翔がそう言うと皆が頷いた。


「今日は俺が皆の寝てる間見張りをするわ」


 そう言ったのは竜馬だった。


「ベルも見張りするよ!」


「べ、ベルちゃん私も一緒に見張りするよ…」


 柚が小さい声で言った。


「なら私も見張りしたいわ!」


 そういったのは梨花だった。


「見張りはそんなに必要ないから、…そうだな、2人ずつ交代にしよう」リーダー格の翔がそう言った。


「私は竜馬と見張りをするわ、いいかしら?」


「そうだな。今日は俺と梨花で、明日は誰が良い?」


「な、なら私とベルちゃんでやるよ…。」


「ベルはそれで良いか?」


「二人だと怖いから、翔くんも一緒に見張りしよー」


「俺?わかった。俺も見張りするよ」


 こうして見張りの日が決まり翔達三人は寝につくのだった。


 その夜、竜馬と梨花はお互いに眠らないようにお喋りをした。


「ねえ竜馬くん好きな人とかいるの?」


「俺の好きな人だろ?いるぞ」


「え、いるの?」


「ああ、誰にも言うなよ。お前はどうなんだ?」


「私もいるけれど…」


「それは、どんな奴なんだ?」


「かっこよくて、優しい人なの」


 少し照れながら言った。


 数時間話をして朝がきた


 一番初めに起きたのは柚だった。


「う...まだ皆起きてなぁい」


「あれ…柚ちゃん、起きるの早いよ~、一番に起きようとしたのに…」


「柚、ベルちゃんおはよ朝早いね」


「まだ、翔は起きそうにないわね。いたずらしちゃう?」


「そうしようか」


 竜馬は笑いながら言う


「どうやってやるの?皆で大きな声で叫ぶ?」


「む...皆俺の近くで何してるの?」


「何もしてないよ、な?あはは」


 竜馬がそう笑いながら言った。


「ベルちゃんなんかした?」


「翔くんの周りで大きい声で叫ぼうとなんてしてないよ」


「そんなことしようとしてたのか…」


「まあ、未遂だから許してやれよ」


「皆起きたことだし、竜馬と梨花は少し寝てて」


「わかったわ。そうさせてもらう。竜馬くん、寝ましょ」


「柚、散策は任せた」


 と言うと竜馬は眠りについた


「まかせて」


 もじもじさせながら柚は言った。


「私が付いてるからね!柚ちゃん」


「ま、まかせるね...」


「翔くんも何かあったら守ってね!」


「おう」


「お二人さん、ラブラブだね」


 横になりながら梨花が言った。


「はやくいこ?」


「う、うん。そうだね」


それから三人は森に入っていった。


 森にはあまり見たことないような植物がたくさんあった。


「翔くんーこれってなんの植物?」


「俺は知らないな…」


「こ、これはズミじゃないかな...」


「これは食べられるの?」


「普通はそのまま食べないけど食べれないことはないと思うよ...」


「あ、こっちは?」


「ナ、ナツメ」


「柚ちゃん。これ食べられるの?」


「シャキシャキで甘くて美味しいよ」


「いただきます!うん。甘い!ほら、翔も食べなよ。あーん」


「そこまで美味しいなら竜馬達にもたくさん持っていこうか」


「大丈夫だよ。両手でも持ちきれないほどあるんだから一つぐらい食べても大丈夫だよ。ほら!」


「け、結構二人イチャイチャしてるよね...」


「そ、そうかな?そんなことないと思うけど。柚ちゃん食べる?あーん」


「もー話変えてー、うん美味しい」


「でしょ?翔くんも食べてみて。あーん」


「恥ずかしいから、後で食べるね」


「そっか、恥ずかしがることなんてないのに」


「ま、まあ後でいただくよ」


 そのあと翔たち3人はもう少し奥に進むことにした。


「あ、あの滝の音がする...」


「仙人が修行してそうな滝だね!」


「綺麗な水だねこれは飲めそうだ」


「ぷはー。おいしい!」


「塩分とか大丈夫?2%こえてない?」


「普通の水だよ?」


「あと勝手に飲んじゃだめだからね、危ないものが入っていたらどうするつもりなの」


「そ、そうだった!授業で習ったの忘れてた!」


 それから三人は竜馬達のところに戻った


「「「ただいま」」」


 まだ二人は寝ているようだった


 太陽を見ると真上にあるのでもうすぐお昼頃だとわかる。


「皆のご飯つくろっか柚ちゃん手伝ってー」


「これで何か作れるのか?」


「朝拾った鍋で水を沸騰させてその中でナツメとズミを煮込んで...これでどうかな...」


「甘い匂いになったね!」


「ふ、二人を起こそうか...」


「二人とも起きて!ご飯できたよ~」


「う..おはよう」


「おはよう、お、美味しそうな匂いがするじゃないか」


「わ、私とベルちゃんで作ったの...」


「え?ベルちゃんも一緒に作ったのか?大丈夫かよ」


「だ、大丈夫美味しかったよ...」


 ベルちゃんは前に調理実習で大失敗をして皆を驚かせたことがあり竜馬は警戒しているのだ。


「あーあのときは驚いたよな」翔がそう言い微笑む


「そ、そんなに変なものじゃないよ!ただ、ちょっと火が強かっただけで…」


「まあベルちゃんは料理音痴だしねー」


「まあ、今回は俺も作っているところを見たし、味見もしたから大丈夫だよ」


「皆で食べようか」


「「「「「いただきます」」」」」


「美味しいな...柚は前から料理うまかったもんな」


「そ、そんなことないよ…」


「まあこの程度よね柚の料理なら」


「梨花ちゃんの料理も美味しいよね!今度作ってよ!」


「俺は柚の料理好きだからまたつくれよな」


「うん。ありがと、竜馬くん」


 照れている柚を見て竜馬はドキドキしていた


「お風呂に入ってないから臭いんだけど、水とかないかな?」


「さ、散策中に滝があったよ...」


「水浴びしに行こ!行こ!」


「女子三人が水浴びしてる間俺らは見張りしとくか」


「もしかして、私たちを覗こうとしてるの?覗いたら許さないからね!」


「覗いたら煮るなり焼くなり好きにしてくれ」二人は呆れながら言った


「覗いたら本当に焼くわよ?」


「冗談だってほんとにやろうとするな」竜馬は笑う


「覗かなきゃ良いだけよ?」


「覗かないって」


 そうして、滝のある水辺に向かうと滝の裏に入れそうなスペースがあった。


「け、結構水冷たいね...」


「飲んだ時はこんなに冷たく感じなかったのに、入ると冷たいね」


「ほんとに覗いたら焼いてやるんだから」


「あはは、梨花ちゃんは本当にやりかねないよね」


 一方その頃男子は...


「どうやれば覗けると思うか、意見を交えようと思う。翔はどう思う?」


「お前梨花に焼かれるぞ?」


「本気でやりかねないからな…ばれなければ良いと思わいか?」


「いいけど死んでも文句言うなよ?」


「流石にばれた時の代償が大きいか…今回はやめておこう…」


 その頃女子は水浴びが終わり着替えていた。


「正直に言えば服も洗濯したいけど、これは仕方ないわね」


「そ、そうだね...」


「よし!男子たちのもとに戻ろう!」


 皆で焚き火の前に戻った


「この後は食材を取りに皆で行こう!」


「じゃ、じゃあ私は火が消えないかみとくよ...」


「なら、一人じゃ危ないから、俺も残るよ」


「なら私も残る文句ある?」


「森の奥に柚ちゃんも知らない植物があったんだけど。梨花ちゃんならわかるかもしれないから一緒に来てくれよ」


「まあ、柚なんかじゃわかんないでしょうけどこの私ならわかるかもね!」


「おお!梨花ちゃん頼もしい!」


「早くいくわよ!」


「うん!行ってきまーす」


 三人が行ったあと...


「なぁ、柚」


「ど、どうしたの?」


「怖くないか?こんな島に来ちゃって」


「ま、まあ竜馬くんと一緒だから...」


「嬉しいこと、言ってくれるじゃねえか」


「竜馬くん頼りになるし、一緒に入れると安心できるんだよね...」


「なんか照れるな


「///」


 しばらくの沈黙が流れた。


「ねぇ、竜馬くん私のこと好き?」


「そ、それはどういう意味で?」


「こ、恋人みたいな感じ...///」


「俺は柚のことが好きだ!」


「///」


「お前はどうなんだ?」


「す、好きだよ、竜馬くんのこと...///」


「なら、俺のこと竜馬って呼び捨てで呼んでくれないか?」


「りょ、竜馬///」


「柚!」


「二人共火見ててくれてありがとう」


「ああ、うん。火な。うん」


「なんかあったわけ?」


「な、何もないよ…///」


「あー絶対なんかあったでしょー」


「な、何もないって…///うう、ベルちゃんの意地悪…」


「ごめんごめん」


「木の実取ってきたから料理するわよ。これが柚にわからなかった木の実よ。私が料理するから竜馬くん、手伝って」


「おう、いいぜ」


 柚が陰で嫉妬しながら梨花と竜馬は料理を進めた。


 数分後・・・


「どうかしら、私の料理は」


「美味しいなけどまだまだ柚にはまけるな!」


「く、くやしい」


「り、梨花ちゃんのご飯も美味しいよ...」


「そうだよ!ベルは梨花ちゃんの料理も好きだよ!」


「「「「「ごちそうさま」」」」」


「ふぅ!お腹いっぱい!」


「お、美味しかったね...」


「梨花ちゃんと竜馬は早いけど、寝ちゃって良いよ」


「ん、じゃ先寝るは柚おやすみ」


「うん、おやすみ。竜馬」


「柚ちゃん後で何があったかおしえてねー」


「うん、お手柔らかにお願いします」


「二人共少し静かに起きちゃうからね」


「そ、そうだね!ねぇ、柚ちゃん何があったの?」


「じ、じつは...竜馬と付き合ったんだよね...」


「おお!良かったね!ベルも付き合いたいな~」


「誰がすきなの?」


「えっとね…実はね、翔くんが好きなの」


「え...そうなの!?」


「うん。柚ちゃんが告白したならベルも告白しようと思う!」


「ならここは私一人で大丈夫だから翔くんと話してきて!」


「うん。話してくるよ」


「頑張ってね!」


「ねぇ、翔くん。今話せる?」


「ベルちゃん、どうしたの?」


「えっと、柚ちゃんと竜馬くんが付き合ったって聞いた?」


「え、そうだったのかなんかよそよそしいと思っていたんだよね」


「それでね、えっとね…ベルはね、えっと…」


「なんか顔赤くない?大丈夫?」


「だ、大丈夫!あの、翔くん。ベルね翔くんがね、す…すきなんだ…」


「じ、実は俺もベルちゃんのこと好きなんだよね...」


「しょ、翔くんもなんだね!良かった両思いだったんだ」


「これからベル、よろしくね...」


「よろしくね、翔」


 それから時間は流れ...


バタバタバタバタバタバタ。そう大きな音が空から聞こえて来た。


「梨花様、梨花様、起きてください!」


梨花の家の執事が迎えに来たようだ。

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