交差点にいる天使(連載版) 〜 駅前の交差点での奇跡

三枝 優

第1話 プロローグ

(居酒屋にて)

「噂で聞いたんだけど、駅前の交差点で天使を見たって人がいるんだって。」

「なにそれ、天使って?ものすごい美少女とか?」

「よく知らないけど、噂になってるらしいよ。」


(女子校の廊下で)

「なんか、駅のところで天使に助けられたって人がいるらしいって」

「天使?すごーい。私も会ってみたいなぁ。」


(会社の女子更衣室で)

「それでですね、先輩。あの交差点に行くと天使がいるらしいって聞いたんですよ。」

”あらら、あの子ったら、そんな噂になってるの。”


(国際線の飛行機の中で)

”そうか・・・もしかするとあの子は・・・”



(ある親子の会話)

「ほんとよ。ママ。私、天使さんに会ったの。その天使さんに助けてもらったの。」



これは、東京のある駅前のある交差点でのお話。

交差点では、人々が交わり過ぎ去っていく。

そこに佇み、見つめる少年と、彼に関わった人々の物語。

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