アオノオデッセイ~異世界転生(?)して魔法で無双出来る様になったけど……可愛いあの娘にも綺麗な美女にも全然モテねぇ…~
どらいあい
プロローグ
そこは、まるで天空のど真ん中にでも放り出された様な場所であった。
上下左右が青空である、方向感覚がおかしくなりそうな景色で大地が見えない。
何故に私がこんな場所にいるのか、ってか何で空に浮いているのか不思議である。
そして一番不思議なのは……。
『ようこそ、青野さん。ここは私が生み出した亜空間ですから落ちて死んだりしませんからご安心を』
「……………そっそうですか……」
何か目の前に、青く輝く恒星がある。
正に青い太陽みたいなヤツだ、後何か喋った。
内心驚愕する私だ、怖い。意味わからん。
何で明日の仕事に備えて早めに就寝して起きたら目の前に喋る青い太陽がいんだよ。
とっ取り敢えず、話をしよう。
「あっあのー、貴方は一体何者何ですか?私は何故この亜空間と言う場所に来たんですか?」
今知りたい事を端的に質問する。
『貴方は寝ている間に心臓マヒで死にました』
…………マジかよ。
『本来なら死んだ者の魂は輪廻の環に還り次の転生に備えるか、良い魂は天国に邪悪な魂は地獄に行くのですが……たまたま貴方の魂に気づいた私はあることに気づいたんです』
「あること、ですか?」
『はいっ青野さん。貴方には類い稀なる魔法の才能があったんです』
「…………まっ魔法の才能?」
魔法。ファンタジーワードの代名詞。
私もその手のゲームやラノベにハマった時期があった、ってか三十代後半に差し掛かった今でも少ない小遣いをそれらに投資しているのが私だ。
才能なんてのとは無縁の冴えない人生を送って来たからお前には才能があるって言われると普通に嬉しい。
しかし……。
「魔法ってアノ?私の世界で言う魔法とは創作物の中にしか存在しない物なんですが」
『その通りです。そんな魔法が存在しない世界に生まれた貴方が世界をひっくり返す程の魔法の才能を持っている事に、私は少々残念だと感じました』
魔法が存在しない世界で魔法の才能を持ってる中年か………。なんてさみしい存在だろう。
生まれながらに三十路までお前は童貞が確定しているぞって予言されてるみたいな感じがして凄く不快だ。
………………三十路で童貞は魔法使いってか?。
一体どこの誰が言い出したのか、狂ってるとしか言えない戯れ言である。
狂ってる、ああっ狂ってるね。死ねよ。
三十路過ぎの童貞を笑う連中なんてっみんなみんな死んでしまえ!。
『……どうしました?物凄い顔になってますけど』
「っ!?な、なんでもありませんよ?」
ふうっ危うく醜い心の奥を吐露する所だった。
「それで、その魔法の才能と言うのがどうしたんですか?」
『はいっ貴方の魔法の才能は神である私の目から見ても感嘆するほどの物です。それを生まれた世界の不備からその才能を殺すのは惜しいと感じる程に。だから貴方には特別に私から新たな世界での第二の生を与えてみようかと考えた次第です』
あっやっぱり神様なんですね。
目なんてどこにも見当たらないんですが……。
いやっ今はそんな事はどうでもいい。
これは転生である。異世界転生ってヤツだ。
「それはラノベとかである異世界に転生するって感じのヤツですか?」
『その通りです。所謂、剣と魔法のファンタジー世界への案内ですよ青野さん』
マジかよ、ファンタジー世界への転生とかマジかよ。中年オタク的にそんな事が本当に起きるって事自体が物凄い事に思える。
「あっあのーそれは私の記憶とかはどうなるんでしょうか?」
『勿論そのままですよ。っと言うよりも姿もそのままです』
………え?貴族とかエルフに転生するとかじゃないのかよ。転生じゃなくね?。
「それは転生何ですか?」
『転生ですよ、一度死んだ人間を別の世界でその肉体を一から再構成して送り出すんですから』
「そっそうですか。分かりました…」
なんか、釈然としない物を感じるよな。
『まぁ違うのは貴方の魔法関係の才能を私がしっかり開花させてから異世界に送り出すって部分ですかね、それとついでですから私の力も少しだけその魔法の才能に付け足してさらなるスキルアップをさせるつもりです』
ついでで神様の力を付け足すとか出来るんだ、流石神様だ、やることが凄い事なのかどうかすら凡人な私にはさっぱりである。
「あっありがとうございます」
取り敢えず頭を下げる。
『無論新たな世界で生きる為の最低限の道具やお金は用意しましょう』
「………………」
そこまでしてくれるって逆に怪しく感じてしまう、まさか異世界に行ったら魔王とか邪神とかを倒せとか言うんじゃあるまいな。
いくら魔法の才能を開花させてもらおうが、無謀な真似は勘弁なんだが。
「あの、異世界に行ったら何かしら貴方の命令に従って魔王とか倒したりするんですか?」
『魔王?いえいえっ向こうの世界で貴方の行動に制限や指示の類いはありませんよ?』
「え?しかしもしも私がその魔法の力で何かしら悪用したりしたら罰が下ったりするのではないですか?」
『何もありませんよ。貴方の人生です、貴方の思う通りに生きなさい』
「…………」
なんか話が上手すぎる。
まぁ私が汚い大人だからかもしれないが、幾らなんでもそんな話をはいはいっと信じる訳ないだろう。
私の内心が筒抜けだったのか、青い太陽みたいな存在は少し笑うようにか語った。
『……っと言うのもです。実は貴方を異世界に送った場合の未来、まぁまだ可能性の世界の話ですが、それを私は覗いたんですよ。その結果貴方をこのまま輪廻の輪に還すのは少々勿体ないと感じた訳ですよ』
「はっはあっそうですか」
私の未来を覗いた?流石は自称神様だ、そんな真似が出来るとは本当にファンタジーな世界で神とかやってそうな手合である。
正直どんな物だったのか気になる。しかし教えてはくれないだろうな。
「じゃあその未来での私は、少なくとも自分を見失って外道になったりとかはないんですか?」
『そうですね、無論絶対ではないですよ?何故なら未来は移り変わりますから……しかし貴方が行く事でその世界に良い影響があるのは確かです。それが私が貴方を異世界に転生させる理由です』
なるほどな、何も理由なんてありませんけど何となくってよりは理解出来る話になってきた。
まぁここで私がゴネ様がどうしようが無駄だろう、なら向こうの気が変わらないうちにさっさと転生とやらをお願いしようかな。
ファンタジーな異世界に転生。
オタクオヤジな私には興味がない訳がない、ここまでお膳立てされたら是が非でも期待してしまうわ。
………夢オチではないよな?。
「なるほど。そう言う話なんですね、それなら私も向こうの世界で羽を伸ばす事が出来るとありがたいですが……」
社畜の悲願見たいな物だ、会社や社会から離れて一人悠々自適な生活がしたいとかって。
『貴方の魔法の力を上手く使って生きていけば十分可能ですよっではそろそろ転生を開始しますが。構いませんか?』
なるほど、要は自分次第であると……。
「はいっお願いします」
『分かりました。貴方の新たな生に祝福を捧げます、良い人生を………』
魔法が実在する世界か、実はかなり楽しみな私だ。
そんなこんなで私は異世界に転生した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます