第1話 異世界転移!

 地球の何処かにある超巨大な最低な学校。不正行為支援学園。何の変哲も無く、メンバーがなかなか濃い710年590組は、ごく普通の何処ででも聴けそうな会話をしていた。


 クラス委員長の霧ヶ峰きりがみね 隼人はやとは、犯罪文化祭の実行委員決め兼雑談をしていた。


「だれか、文化祭実行委員をやってくる人はいませんか?」


 誰も手をあげようとしないので、横にいるクラス副委員長である神月かみづき 麗奈れいなは喝を入れる。


「だれかいないの!? 全員犯罪者でしょ!? それならこれくらい事面倒くさがらないで、勇気を出して手を上げなさいよ!」


 そう喝を入れる麗奈に陽気なクラスメイトである天ノ川あまのがわ れいは、適当に答える。


「ま、どうでも良いんじゃね?」


 そんな適当な答えにヤベー奴と呼ばれる荒神あらがみ じんは、苛つく。


「どうでも良いだと……? てめぇ、殺されてぇのか? それでもてめぇは立派な犯罪者って言えるのかよッ! あぁッ!?」


 一気に騒がしくなるクラスの中で一際冷静な者がその場を静める。牽牛星あるたいる ごっどだ。


「全く……騒がしい餓鬼共だ。我らの古き伝統でもある反逆者の祭儀を大人しく執り行う事も出来ないのか……。こんなでは我ら不正行為学園校長、最上もがみ けがれの名が泣くぞ……」


 そう言う事で一瞬で静かになったクラスにその意見に同調する様に優等生の等生たかのり すぐるが発言する。


「そうですよ皆さん! 犯罪文化祭は我々にとって唯一無二の祭り。それも一年に一回しか無い催しなんです! ほんの一週間の準備と一日の祭りを無駄にしてはいけません」


 そんな発言でクラスは一致団結しようとした所で二人の発言でその雰囲気は崩壊する。学校一の馬鹿と阿保と言われる二人。鹿真ろくまさ たけしと、阿吽あうん まもるだ。


「おにぎりウマウマ……」

「みんなぁ! このラーメン美味しいよぉ!」


 雰囲気を壊すわ、あまりの馬鹿っぽさに、この学園44955000人の一人と言われるイケメン。あきら 光輝こうきがくすり笑みを漏らす。


「ふふっ……全くこの学園は、いつ見ても笑顔が絶えないね」


 そんな煌が神々しい光を撒き散らす中、いつになってもメガティブ思考をする常闇とこやみ かげるは、変わら無い事を言う。


「はぁ……この学園は笑顔が絶えない? 馬鹿を言え、僕はこんなにも苦しく、寂しく、いつも心が痛いと言うのに……もう駄目だ。早く死にたい……耐えられないよ」


 彼の発言はいつも雰囲気を重くし、皆を勝手に同情へ持ち込もうとする。しかし、それは置いてけぼりに、このクラスで最も異質な存在である二人は最早何を言っているのか分からない。マイケル・ジョニーと反國ファングォ 仇恨チョウヘンだ。


「This festival is very splendiferous!」

在這裡殺死所有人ザイヂェアリーシャスースォヨウレン……」


 全くもって全員濃いメンバーしか居ない、平和な学園に突然、悲劇が起こる!


 クラスの床に突然魔法陣が現れ、全員一斉消えてしまった。


──────────────────


 全員が目覚めると、そこは見知らぬ王宮。目の前に王様がいた。そう、そこは、異世界だったのであった!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る