第2話

次の日、アカリは三崎大学医学部

附属病院の精神科を受診した。

「田梨さん、田梨アカリさん」

待合室で心細く長椅子に腰をかけて

いると、自分の名前を呼ぶ声がした。

診察室の前まで行くと

ドアを2、3度ノックする。

「どうぞ」

中から低い男の声がした。

アカリは少し恐る恐るドア

を開けると、静かに閉めた。

「失礼します」

アカリはそう言うと、医師の前

に置かれている丸イスにそっと

腰を掛けた。



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