鈍感な2人のお話

Mocha

第1話 陽斗の初恋

中学2年の冬。


いつも通り高凪中学に登校していた。


僕はいわゆる、陰キャ、という奴だ。


最近は何をやっていても楽しくない。


大好きだったゲームでさえも、最近は楽しく感じない。


恋などしたこともない。


一生しないで生きていくと思っていた。


ただ、あの時の出来事によって、僕の人生は

大きく変わったのだ。









これは、僕が初めて恋をした時の話である。


雨が降っていたので体はびしょびしょだし、テンションも下がるし、楽しいことはないしと嫌な事だらけだった。


そんな事を考えていたその時...


世界が逆さまになった...いや違う


陽斗が転んでいるんだ...


ビシャーン!!


泥水に背中からダイブした。


周りの人はクスクス笑うだけで、けして手を差し伸べようとはしない。


「あぁ、恥ずかし...」


ただでさえテンションが下がっていたのに、

もう最悪だ...


もう何も楽しくないし...


いっそ、死んでしまった方が...


「大丈夫!?」


僕は声のする方を向いた。


そこには黒髪ロングの綺麗な女子高生が息を切らして立っていた。


これが、僕と彼女の最初の出会いだ。

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